[携帯モード] [URL送信]

Novel〜孕〜
20






「ねぇ、大丈夫?」

挙動不審としかいいようのないティラに一歩近づこうとする。
コンはなんと、ティラの股の間に陣取り、しかも甘えるようにクリクリと頭を擦りつけてきた。

「うわ、ぁっダメだ!」

思いがけないところからの刺激に、さすがに大きな声が出てしまう。
どっと汗が噴出し、顔が熱くなった。

「ティラ?どうし…」

駆け寄ろうとする雰囲気に、咄嗟にティラの口から言葉がでた。

「っ、だめ!来るな!」

「え?」

「こ、こっちを見ないでくれ…」

片手で赤くなった顔を隠し、もう一方で股のあたりを押さえるティラを見て、ウメははっと息を呑んだ。

「あ、そ、そうね!やっぱり、勝手に人の家に入るのは、よくないわよね」

ぽぽぽ、と顔を赤くして、チラチラとティラが隠している二箇所を見る。
自分の内から出る魅力的な何かに、ティラの男が反応してしまったのだと、彼女は判断したのだ。盛大な勘違いである上に、ティラには何を考えて納得したのかまったくわからなかったが、ウメは自分の頬に手をあてて大きく頷く。

「わかったわ!これからは、ちゃんとノックして、勝手にお台所も使わないようにする。うふん」

うふふ、と謎の発声をして、ウメは腰をいつもより揺らして、しなをつくりつつ出て行った。

残されたティラは、ドアの閉まる音を確認して、「はぁー」っと息を吐き出す。

「おいコン!変なところに入るなよ!」

ずいと下を下げて、自分の股を除けば、こちらの焦りにはまったく伝わってない様子で、下着の上で首をくりっと傾げて見せた。

「あー、疲れた…」





[*前へ]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!