Novel〜孕〜 20 ★ 「ねぇ、大丈夫?」 挙動不審としかいいようのないティラに一歩近づこうとする。 コンはなんと、ティラの股の間に陣取り、しかも甘えるようにクリクリと頭を擦りつけてきた。 「うわ、ぁっダメだ!」 思いがけないところからの刺激に、さすがに大きな声が出てしまう。 どっと汗が噴出し、顔が熱くなった。 「ティラ?どうし…」 駆け寄ろうとする雰囲気に、咄嗟にティラの口から言葉がでた。 「っ、だめ!来るな!」 「え?」 「こ、こっちを見ないでくれ…」 片手で赤くなった顔を隠し、もう一方で股のあたりを押さえるティラを見て、ウメははっと息を呑んだ。 「あ、そ、そうね!やっぱり、勝手に人の家に入るのは、よくないわよね」 ぽぽぽ、と顔を赤くして、チラチラとティラが隠している二箇所を見る。 自分の内から出る魅力的な何かに、ティラの男が反応してしまったのだと、彼女は判断したのだ。盛大な勘違いである上に、ティラには何を考えて納得したのかまったくわからなかったが、ウメは自分の頬に手をあてて大きく頷く。 「わかったわ!これからは、ちゃんとノックして、勝手にお台所も使わないようにする。うふん」 うふふ、と謎の発声をして、ウメは腰をいつもより揺らして、しなをつくりつつ出て行った。 残されたティラは、ドアの閉まる音を確認して、「はぁー」っと息を吐き出す。 「おいコン!変なところに入るなよ!」 ずいと下を下げて、自分の股を除けば、こちらの焦りにはまったく伝わってない様子で、下着の上で首をくりっと傾げて見せた。 「あー、疲れた…」 ★ [*前へ] [戻る] |