Novel〜孕〜
17
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「お願い。森に置いてこいなんて言わないで」
正直、生まれたての子竜を外に放ることはさすがにできない。それにティラ自身、伝説の竜に非常に興味がある。
だがそれは、村の誰もが同じだろう。
このことが露見すれば、子竜はこの先どうなるかわからない。それはできることなら阻止したかった。
父と末っ子の会話が聞こえたのか、食事を準備していた手を止めて、上の二人もじっとこちらを見ている。
放ってはおけないが、ここに置くのも簡単なことではないと想像できる。
村の誰にも気づかれずに、おそらくこれから大きくなるだろう竜を育てる。
「俺一人じゃ、たぶん無理だなぁ」
考えただけでぽろりと口からそうこぼれた。子供たちは自信なさそうな父親の下に集まり、足に腰に抱きつく。
「僕手伝う!ご飯作れるようになるよ!」
「僕も!畑仕事、いっぱいするから!」
「あ、僕も、えと、竜のお世話する!」
「あ、それは僕もする!」
「僕もー!」
「ギャウ」
だんだん声が大きくなってきた子供たちにティラが慌てると、子竜がまるで代わりに「静かにしろ」と言うように一声鳴いた。すると見事に子供たちはぴたりと口を閉じる。
その様子が面白くて、ティラはクスリと笑った。
「わかったよ。村の皆には内緒だけど、4人で大事に育てような」
三兄弟が力強く頷く。あれこれ考えずに、とりあえずやってみようと腹をくくったのだった。
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