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A BLACK DATE OF THE BLACK WORLD(ロイアイ)
鋼の錬金術師/ロイ×ホークアイ





そう、例えば海を泳ぐ魚のように

ただ生きるためだけに生かされているならどんなに素晴らしいことか

どうして人間は生きるためだけに生きられない





「んっ…」


血の味。

彼が唇を噛んだ。とめどなく流れる血を拭おうとするならまだいい。
唇をつたう鉄の味がするそれを、顎から舐めとられる。

舌先が紅く染まっていく様は何とも言えない。


「痛い?」


紅い舌をちろちろさせて、彼がくすりと笑う。


本当に、この男は。


「決して良い趣味とは言えませんね」


逃げられないように捕らえられた手首は既にアザになって。
はだけた胸には、無数の赤。
彼の唇によるものもあれば、爪によるものもある。


「だろうね。自分でもそう思うよ」


言いながら、また私の首に噛り付く。

また、アザを残す気。


「……っ」


痛くない、なんてことはない。
痛みに顔を歪ませると、またしてもくすくすと笑う。


「…楽しいですか?」


私の問いかけに、ゆっくり微笑み返す。

あぁ、全く。


「きみは逃げないんだね」


やさしい笑顔でそんなことを言う。
手首は捕らえられたまま。


「私が貴方に逆らうだなんて、本気でお思いですか?」


全ての痛みを忘れ、彼だけを見つめた。
また、わらう。


「…あぁ、思わないね」






どうして人間は生きるためだけに生きられない
何故傷付けることしかできない

彼にとっての生きるとは、こういうこと






















暴力的な大佐と、それに耐える中尉。

中尉は大佐が可哀相だから放って逃げることも出来ません。

タイトルは意味が合ってるかわかりません(笑)



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あきゅろす。
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