逆転パッション(アイロイ)
鋼の錬金術師/ホークアイ×ロイ
「書類終わったよ」
不意に彼がそんなことを言ってきた。
「あら、珍しいですね」
今まで定時ギリギリに終わっても、定時までになんてことはなかった。
この珍妙な出来事に素直に感心していた。
のに。
「なんてね。今日は4月1日、エイプリルフール。嘘をついてもいい日だよ」
そして笑った。
この人を少しでも敬った一瞬を返してほしい。
「…では私もひとつ冗談を」
彼は なんだい? と私の様子を伺う。
「私は貴方が大嫌いです」
満面の笑みで一言。
エイプリルフールですもの。
これくらいの嘘もいいわよね?
すると彼は壁にはりついてしゃがみこんだ。
どうやら真面目に受け取ったようだ。
「大丈夫…4月1日だ…今日は嘘日だ……」
嘘日ってなんですか。
聞こうと思ったけれど、答えが返ってくる気配はない。
ちょっと可哀想になって耳元で囁いた。
「嘘ですよ。エイプリルフールなんですから」
そうすると彼はゆっくりと振り向いた。
「…心臓に悪い冗談はやめてくれ」
あら、涙目。
「本気に受け取る方が悪いんです」
だって今日は嘘日なんでしょう?
「しかしなぁ…」
まだぐずる。
しつこい男は嫌われますよ。
「大丈夫ですよ。こんなこと、本気じゃ言えませんから」
本当に。
4月1日だから、ですよ。
「…リザっ」
目を潤ませて抱きついてきた。
ホントにこの人は。
「はいはい」
泣くくらいなら嘘なんてつかなきゃいいのに。
どうせ私に勝てやしないんだから。
書いたはいいけど気付くとエイプリルフールを過ぎてしまっていた(2回ほど)このネタ、やっとこさ日の目を見れました。
大佐がキモいんだよ〜
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