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PSYREN夢
色彩/ヴィーゴ




「ぅわ゙あ゙あ゙あ゙ん」

ひどい泣き声が辺りに響く。
何事かと思っていると名前が泣きながらこちらに通りかかった。

「ぐぅっ…ジュナス……ぅわ゙ーん゙ジュナ"ス"〜〜」

いつもなら振り払うところだが、この様子にさすがに躊躇していると名前は俺の腕の中にすっぽりと収まった。
「ぐっ、うぐっ、ふみ゙ーー゙……うぐ」
「…どうした」
めためたの顔をくっつけられて胸の辺りが湿ってくるが、この状態は不思議と嫌な気はしない。



「名前…ご、ごめん…」

ヴィーゴがおずおずとしながらやって来た。
この変態のせいか。

「何したんだお前」
「う……ジュ、ジュナス…そんな、お、俺はただ…」
面倒臭そうに睨むと余計にどもった。


「お、俺は、名前のためを思って……身体のバランスを、よ、より良くしようと…少しだけなんだ…せ、折角良いバランスなのに、惜しいところがあるから……」

「ほね゙痛ぐしだ〜〜ぅえ゙〜〜ん゙」

アレをやったのか。名前に。
大の大人でも激痛ものだろう
さすがに同情する。

「ご、ごめん……もう、しないから、絶対」

「あだりま゙えじゃぼげェェェェェェ!!!!!!!」
「「!!!!」」
ボガァァァン

爆発した名前の能力が辺りを目茶苦茶にした。

神経制御塔の一部が吹っ飛び、グラナが何事だととんで来たが名前に睨まれると泣きそうな顔ですぐ戻っていった。

それからしばらく名前は日々ヴィーゴと口をきかず目も合わさなかった。
ヴィーゴは落ち込んだ様子で、名前を見つける度謝りながら近づいていたが、名前に刺々しく睨まれて終わっていた。

そんなある日の星将会議で名前はヴィーゴにあっかんべーをしていた。ヴィーゴは何故か少し嬉しそうにして名前に控えめに手を振っていた。相手にされただけ嬉しいのだろうか。名前を見たカプリコが真似をして俺にあっかんべーをしてきた。ヴィーゴの気持ちがなんとなくわかった気がする。


いつだか名前がヴィーゴに「馬鹿」と言ったことがある。その時奴は過剰反応して名前を半ば殺しにかかった。しかし、俺程ではないがライズの得意な名前は攻撃をかわしてヴィーゴに拒絶の一撃を放ち、自分は天才だと言い「馬鹿」を取り消すことを希求する奴に、『馬鹿と天才は紙一重だ』とか『天才は馬鹿じゃないとつまらない』だとか色々怒鳴りつけていた。

その後ヴィーゴは何回か隙を狙って名前を殺そうとしたらしいが失敗し、いい加減警戒に疲れた名前が弥勒に泣きついて、弥勒がヴィーゴに口頭で注意してからは止んでいた。あの時の名前は半分ウソ泣きだったようだが、それからはお互い友好的に落ち着いていた。
ヴィーゴがいつの間にか名前に殺意以外の興味を示し、ことあるごとに名前に言い寄るようになっていたが、今回はさすがに自分の個性的すぎる趣味を押し付けすぎたというところだろうか。



「名前…け、結婚しないか…」
「やだ。」

骨の痛みを許してもらえたのか、二人で話しながら歩く(正確にはヴィーゴが後ろからついて歩いている)姿を久しぶりに目にする。


「つか、この世界で結婚も何もないでしょ。」

「旧時代なら結婚してくれたのか?」

「……あんた指名手配犯だったじゃん!そっちのが無理だよ!」

「だ、だから旧人類のいないこの世界で、二人幸せになろう」

あの変態にあそこまで、ある意味でまともに興味を持たせるとは、感心ものだ。
まぁあれは自身の命を守るために奴を平穏に丸め込んできた結果、自然に出来上がった関係なのだろうが、それはやはり、彼女が無意識に持つ"感情"が、無意識に作る、個性的なものだと思う。

俺のような抜け殻が見様見真似でできるものではない色彩。



「私結婚なんてしないし」

「だったら俺は…どうすればいい?」

いや、諦めろよ。
頭の中でそう呟くと

「そーだね…来世でなら結婚してもいいよ」

そんな言葉が聞こえて少し意外だった。

「ほ、本当か?」
ヴィーゴの阿呆面が目に浮かぶ。

「うん」

「なら、二人で来世に行こう…!し、心中。心中というやつだ、今すぐにでも」

「なんでそうなる!」

ガスッ、と殴る音がする。


俺は始めからここにいただけだが、これは盗み聞きというやつになるのだろうから、このくらいで止めておく。


あいつらが感情の在る人間だからなのだろうか、俺にはよく解らないが、あいつらを見て学んだこともある。
人というのは、人が変えるんだな。




end.



――――――――――――――――

書いていったら最後までジュナス視点になってしまったのです。無駄に長い。

ヴィーゴ夢のつもりだけどジュナス夢でもある…?抱きついたし(^o^)つかジュナス夢?いや、ウ"ィーゴ夢です!

ウ"ィーゴの能力痛いよね。シャオ痛そうだった



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あきゅろす。
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