[携帯モード] [URL送信]

ぬらりひょんの孫 〜天狐の血を継ぐ陰陽師〜
2013年 バレンタイン特別編
琥珀「な、なんとか間に合った…」
昌彰「お疲れさん…」
リクオ「お疲れ様でした」

琥珀「今日が普通の日と言うのが久しぶりな気がする…」
リクオ「例年だったら『試験だ…』って死んでるもんね」
昌彰「だな。おかげでバレンタイン話を書くのは初になるわけだ」
琥「まあそうだね。ところで昌彰くん? その手にあるものは?」
昌「ん? チョコブラウニーだが?」
リ「逆チョコってヤツですか?」
昌「ああ。と言ってもホットケーキミックスを使った簡単なヤツだけどな」
リ「うーん、ボクも何か用意しといた方がよかったかな…」
昌「なら今から作るか?」
琥「間に合うの?」
昌「三十分ぐらいあれば出来るからな。行くぞリクオ」
リ「あ、うん」

琥「行っちゃった…仕方ない。女性陣が来るまでお茶の用意でもしてますか…」

††††

カナ「で、私たちは何で当日にバタバタ準備してるの?」
ゆら「しゃーないやろ…昨日のはどっかの雪女が冷やそうとしてガッチガチに凍らせてもうたんやから…」
つらら「ちょ、陰陽師娘その言い方はないでしょ!? 時間無いから急ごうって言ったのはそっちなんだし!」
ゆら「やからって凍らせるとは思わんやろ! そんくらい加減しいや! 妖怪やろ!」
つらら「なんですって!」
カナ「あのー」
ゆ・つ「何(なんや)!?」
カナ「ひぅっ…け、ケンカしてないでさ。ガナッシュ固まったみたいだから成形やっちゃお?」
ゆら「そやな、昌彰達も待ってるやろし」
つらら「じゃあ早速!」
カナ「あ、先に手を冷やしとかないと…」
つらら「大丈夫です! 私、雪女ですから!」
ゆら「逆に凍らせんようにな〜」
つらら「わかってるわよ!」

††††

琥珀「皆さんお揃いのようですね。飲み物は全員ありますか?」
全員『はーい!』
琥珀「んじゃそれぞれ贈り物を渡してお茶会にしましょう」

ーーー

ゆら「はい昌彰。ハッピーバレンタインや」
昌彰「ありがとうゆら。俺からもだ」
ゆら「逆チョコゆーやつか…開けてもええ?」
昌彰「ああ。と言うかそのためのお茶会だしな。俺も開けるぞ」
蓋を開けると顔を出すのは甘い香りを漂わせるチョコブラウニーと色とりどりのトリュフ達。
「はい、昌彰。あーん」
ゆらはそのうちの一つを取って昌彰に差し出した。
カプッ
「?!」
ゆらの顔が真っ赤に染まった。
昌彰が差し出されたトリュフを指ごと口に含んだからだ。

ーーー

つらら「リクオ様!」
カナ「リクオくん!」
リクオ「ちょ、二人とも落ち着いて!」
一方リクオは二人のヒロインに迫られていた。
琥珀「まあ、ダブルヒロインの宿命だねぇ…」
リクオ「ちょっと作者! 見てないで助けてよ!」
琥珀「ふむ…この状況は傍観するにはとても面白いんだけど…」
修羅場と化したお茶会の一角。さすがに放置するのはマズイ。
リクオ「だから早く…」
琥珀「だが断る! 何故なら…その方が面白いから!」
リクオ「作者!?」
つらら「ええい…」
カナ「こうなったら…」
つ・カ「「実力行使!」」
リクオ「え? ちょ、え、うわ〜っ!?」

ーーー

琥珀「南無…」
昌彰「ところで作者」
琥珀「ん?」
昌彰「お前が食べているのはなんだ?」
琥珀「パウンドケーキだけど?」
ゆら「いや、聞きたいんはそれが何かやなくて、それをどないして手に入れたかや」
琥珀「ん? 昨日友達からもらったんだよ。この前映画に付き合わせたお礼だってさ」
昌彰(…なあゆら? どう思う?)
ゆら(嘘ついてるようには見えへんけど…)





[*前へ][次へ#]
[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!