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桜の残像 1
時間が経つのは早いもので、この間咲いたと思っていた桜もすでに花を散らし緑と赤のコントラストを見せている。
そんな景色を窓の外にみつけ、寂しいものだと日吉は思った。
一時はあんなにも人を魅了していた桜の木も、散った今となっては道の隅に溜まった花びらと共に見向きもされない。
また来年花咲かせるその時まで、ひっそりとその場に身を置きただの木として静かに過ごすのだ。
そんな4月も終わりに差し掛かったある日、日吉の前に思わぬ人物が現れた。
それはもしかしたら、一時の静かな眠りにつく前に桜が見せてくれた幻だったのかもしれない。
060506
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