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4月に入り、跡部たちがいない新たな学校生活がスタートした。
しかし、あれだけの存在感を放っていた彼の存在がそう簡単に薄れる筈もなく、跡部が卒業した後もその名は深く氷帝学園に根付いていた。

何かにつけて先生や在校生の口から漏れる跡部景吾の名。
部活をしている自分たちを余所に周囲で交わされる会話に否が応でも比較されていると日吉は実感してしまう。
そして、それのどちらに軍配が上がっているかも重々承知していた。

今年の新入部員が例年よりも多かったのも彼の評判によるものというのは間違いないだろう。
実際に目にしてきた2、3年生のみならず、今年の新入生さえも跡部景吾を知っているのだ。


跡部景吾

跡部景吾

跡部景吾


(もうウンザリだ)

嫌でも耳に入ってくる名前を無理やり押し出しながら、日吉は部活終了の号令を出した。


060510


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あきゅろす。
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