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よみもの~中等部編
乾先輩の分析
「あれ?おちびドコ行った?」
「桜乃ちゃんも、いねぇっスよ?」
英二と桃城が顔をあわせて、にやぁ〜と、笑い、越前探しにいってきまーす!
と、さもうれしそうに、その場をたった

ふん。。。おもしろそうだ。。。

俺も例に漏れず、データ収集。。。と

自販機の前。。。
越前はいつも通り、ファンタグレープ
差し入れの事で何か言ってるようだが。。。
竜崎桜乃は。。。顔をまっかにして、必死に言葉をつなげている
うむ『初々しい』という言葉がよく似合う
それに比べて。。。よく言えば、クール、だけど本当は無感動、加えて朴念仁の越前
「あ、ばっか、おちび」
「わかってねぇなぁ、わかってねぇよ...」
「そこは素直に、ありがとうって言う所だろ」
「いや、データ上なら間に合います」

1年生カップルのなかなか進展しないシチュエーションに、多少イライラしていると
向こう側から海堂がやってくるのが見えた
海堂も海堂で、この二人をみても何も感じないのか、素通り。。。だ
朴念仁、もう一名発見

「マムシのヤツ、まったく無感動で通っていきやがったっスね?」
同じ学年の海堂と桃城。。。かたや他人の色恋沙汰に敏感、かたや。。。この差も面白い
「どこいくんだろうね?」
河村もなんだかんだ言って、気になるらしい、いつのまにかこの場にいる
英二が、ニィっと、笑う
「今日、カノンちゃん、来てたよね?」
へへへ、と、桃城が笑う
そうして、ターゲットを越前から海堂にチェンジし、こっそりあとをつける俺達

「あ、いたいた〜、カノンちゃん発見〜」
「英二先輩、あんまりぴょこぴょこしちゃ見つかっちゃうっスよ」
木陰に菊池奏音、まっすぐ歩いていって、その横に無言で座り込む海堂。。。ふむ
一言二言の短い会話に、おしぼりを渡して、ソレを自然に受け取る海堂。。。と
「へぇ〜、マムシのヤツ、結構いい雰囲気じゃん?」
いい雰囲気、か、まあ、そうだな。。。
「でも、なんかほとんど会話も何もなさそうだね?」
「んーーーー...なんかぁ、金婚式迎える夫婦な雰囲気だにゃ?」
確かに、ほとんど口をきいてないのに、
実にいいタイミングで菊池奏音は、食べ物や飲み物を差し出す
「ちょっと、落ち着き過ぎって感じだよね?」
「そうっスよ、タカさん、中学男子、もっとガツガツしててもいいっスよね」
「ガツガツって、モモぉ、こんなとこで盛ってどーすんのっ」
にしししし、と、桃城が笑う
ふむ、だが桃城は口の割に、実はウブだというのは、確認済み
それにしても、さっきの越前達と全く違うこの二人
英二ではないが、金婚式を迎える夫婦な関係というのか?
思春期真っ盛りのはずの中学生としては、落ち着きすぎていて、いかがなものか?
少し前に海堂と話しをした事を思い出す
『カノジョって...それに、アイツだって俺の事、そんな風に思ってないっスよ...』
そう言った海堂
確かに、海堂と菊池奏音には、そんな気持ちはないのかもしれない
ただ、一緒にいることが、お互いにとって心地いいだけなのかもしれない。。。
興味深い関係だな、と、思う

つらつらと考えていると、海堂の表情に変化が現れる
「へぇ〜...海堂って、結構優しい顔で笑うんだなぁ」
本当だ、コレは新たな発見
それにしても、河村は。。。
思春期まっただ中な英二達の会話を気にも留めないって
それはそれで、クールだな?
「うっそ!薫ちゃん、声出してわらったよ、今っ!?」
俺もソレには驚いた

しかし驚いたのは俺達だけではない
アッチ側の菊池奏音と、笑った本人の海堂自身ですら驚いているようにみえる
コレは面白いデータが取れそうだ。。。

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