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よみもの~中等部編
5 ~takeshi

バレンタイン直前の金曜日
二人で歩く通学路
いつものように、付かず離れず、さくさく、さくさく、俺達は歩く
ユカちゃんは唐突に、あのさ、とボソ、っと言って、俺の顔をまっすぐ見上げた

「明日ヒマなら買い物つきあってくれない?」

「あ...練習、午後から」

「ならいい」

素っ気なく言うと、また顔を前に戻し、すたすたと歩く
そっとユカちゃんの顔色を伺うと。。。うわ、機嫌悪そう

「あのな、来週から平日は選抜の練習、無ぇんだけどよ?」

「なんで?」

「私立の入試日程がその辺に固まってるだろ?そんでその後公立な?
 だから、3月中旬まで平日は選抜の練習もねぇんだよ
 ま、俺は部活に自主練で顔出そうかと思ってるけどな?」

「ナルホドねぇ〜
 去年の不二先輩達みたいに、チョコレート、そこで回収する気なんだ?」

「ンなわけねぇだろ?
 俺、由香ちゃんから貰えればそれでいいんだからよぉ」

ふぅん、と、ユカちゃんは黙り込んでしまった
そして、さっきよりもちょっとだけ早足になってる?
そーとー機嫌を損ねちまったかな。。。

「だから、来週...放課後都合つくし、その、買いモノ...」

俺!ここで弱気になるんじゃねぇ!!
もう一押しだ!

。。。って、息を吸い込んだ時、また、ユカちゃんはくるっと俺に顔を向けた

「じゃ、私、アンタが部活終わるの待ってるから」

「は?」

意味がわかんねぇ、って、きっと俺の顔に書いてあったんだろう
ソレが気に入らなかったのか、ユカちゃんは、ますますむすっとして俺を睨む

「だから、バレンタインっ!いるんでしょ!!ケーキっ!!!」

「おっ!?おぉおおおぅっ!!」

もしかして、買い物って言っておいて、ケーキくれるつもりだったとか?
それって、デートに誘ってくれてた、ってことだよな?

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