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よみもの~中等部編
10 ~kaoru

改札を抜けて、かのんと俺は言葉もなく、それぞれ別のホームへ向かう
いいのか?
このままで?
いいはずないだろ?

もう俺にも、周りの目を気にする余裕はなかった
かのんがこのまま俺の前からいなくなってしまうんじゃないかと
そんな有り得もしない恐怖に駆られた
有り得もしないだと?どうしてそう言い切れる?

そうだ、桃城。。。
(おう)
「すまない、俺、今日は行けない...約束破っちまって...」
(由香ちゃんから聞いた...まあ、しょうがねぇだろ、こればっかりはよぉ?
 お前、一緒なのか?)
「いや...今は...」
かのんはどこだ?
まさかもう電車に乗ってしまった?
「すまねぇっ」

かのんが乗る電車のホームを駆け下りると、丁度車両が入った所だった
かのんは?
。。。いた!!
俺は階段近くの扉から、車内に駆け込んだ
ほっ、と、息をつき、一駅分待ってから、後ろの車両へと移動する
かのんはちょこん、と、座り、ケイタイをいじっていた
俺には気付いていない
他に青学の生徒は。。。何人か同じ車両に乗ってる
今はマズい、この後、乗り換えの時だ
それでも十分かのんと話をする時間があるはず
俺がこんなにテンパってどうする?
少し落ち着こう

俺は息をついて、シートに深く座り込んだ

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あきゅろす。
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