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よみもの~中等部編
7 ~yuka

それからは、3年6組コンビも、キモメガネを着用した乾先輩も、教室の中で騒いだりしなかった
それどころか、海堂君のお弁当とカノンのお弁当を持って、二人を捜そうと言い出した
うん、そりゃもっともだよね
カノン、お昼抜いちゃったら、死んじゃうよっ
あのコを空腹にさせたら、この世の終わりになっちゃうもん
私は、先輩達の申し出を断って、私と、いきなりカレシ認定されてしまった桃城君とで、
カノン達を探す事にした
私は何を言われても、大丈夫だと思ってるし、
先輩達と一緒にいるところを人に見られるのが、
どれほど、カノンにとって辛いのかを、私は痛い程わかってるから。。。

不二先輩は去り際に、放課後ね?と、ふふ、と笑い、
乾先輩は、カノン達がいそうな場所をいくつか教えてくれた
流石データマン。。。って、そんなデータとって役に立つの?
あ?役に立ってるじゃん、今この時点では、はははっ

カノンたちは、部室の裏にいた
ココは『開けてるようで、実は、生徒のいる建物からは死角になっている』
って、教えてくれた通り!!
乾先輩データ、すごすぎ〜
確かに、自分がココに立っていると、何処の教室の窓も見えない。。。
カノンは、そこでも、一等隅っこで俯いていた
多分。。。泣いてる
そして海堂君はそのカノンの身体をかばうように、ただ、そこに立っていた
海堂君が私達に気付き、キツい視線を寄越した
だけど、一瞬にして、気まずそうな。。。申し訳なさそうな表情になり、
ふいっと視線をそらし、カノンの身体を隠すようにくるりと身体の向きを変えた

「カノン...ね、海堂君も...お弁当持ってきたよ?
 お腹空かない?ね?...食べよ?」
海堂君の背中が、ビクッとし、警戒してるように見える
「大丈夫だよ?私と桃城君だけだから...ね?」
「オイ、海堂〜、カノンちゃん飢え死にさせる気かぁ?」
「...海堂君...ごめんね...大丈夫だから...お弁当、食べよ?
 私、お腹空いちゃった...」
海堂君のカゲから、カノンの小さな鼻声がきこえた
やっぱり。。。泣いてたんだ。。。

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