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よみもの~中等部編
7 ~kaoru

気付くと俺は、カノンの手をひきながら、部室へと向かっていた
それも、上履きのまま
途中で、いろいろと何か言われたような気がする
そう、考える余裕ができたときは、もう遅かった
怒りに任せて、こんな行動とっちまって、俺。。。
それこそ、かのんは注目の的じゃないか
俺はいい
俺は、何を言われても、何をされても平気だ
だが、かのんはちがう

部室の裏
ここなら人目につかない
今だけでも、他人の目からかのんをかばってやることができる
だが。。。
この後、俺、どうすんだよ?
守ってやるどころか、余計にかのんを傷つけるような事ばっかりしてる

小さく漏れる嗚咽
それが俺の胸を傷める
なんでこんなことになっちまうんだよ。。。

眼の端に、人影が映った
誰だ?
そこには、ほぅっと気の抜けた西森と桃城の顔
西森にも、俺のせいで気まずい思いをさせてしまった
何もかも俺のせいだ
何一つまともにできやしねぇ。。。
「カノン...ね、海堂君も...お弁当持ってきたよ?
 お腹空かない?ね?...食べよ?
 大丈夫だよ?私と桃城君だけだから...ね?」
「オイ、海堂〜、カノンちゃん飢え死にさせる気かぁ?」
西森。。。平気なのかよ?
俺のせいでこんなことになっちまって。。。
「...海堂君...ごめんね...大丈夫だから...お弁当、食べよ?」
なんでお前が謝るんだよ?
「私、お腹空いちゃった...」
無理に笑って。。。なんでだよ?
俺だろ?
全て、俺のせいだろ?

俺達4人の間にも、気まずい雰囲気が流れる
それでも、西森と桃城は、かのんを気遣い努めて明るく振る舞う
それなのに俺は、何一つ気の利いた事を言ってやれない

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