[携帯モード] [URL送信]

魔法少女リリカルなのはStrikerS ―次元騎士―
ユーリ「し、しっかり桃子さんの血を受け継いでるな……」スバル、ティアナ「「(ブルブル…………)」」なのは「?」



「んっ……」


翌朝、ユーリは身体に重みを感じて目を覚ます。両腕も重くて全く上がらない。ぼやけた視線の先には、誰かが自分に馬乗りしている様子が見えた。徐々に見えるようになり、ユーリの視線の先にいたのは……


「ユーリ、おはよう」


「……フェイト、どいてくれ」


「嫌だ」


六課の制服を着用し、不機嫌そうな表情を浮かべているフェイトだった。勿論ユーリはフェイトが機嫌を損ねている理由が分からない。そしてそんな態度をとっているユーリの顔を見てフェイトは更に顔をしかめる。


「どうしてはやてとセイバーがいるの?」


「昨日の夜に少し話し込んでな。夜も遅いから泊めたんだよ」


「……ずるい。はやてとセイバーばっかりずるい!」


急にフェイトがその場でじたばたし始めた。ユーリは困った表情を浮かべてフェイトを見ていたが、ふと両腕の重みがなくなる。どうやらユーリの両腕に抱きついていたはやてとセイバーが目を覚ましたようだ。


「もう、朝から騒がしいなぁ……」


「ぅん……何事ですか?」


眠たそうに起き上がった二人は、ユーリの上に乗っているフェイトを見つける。はやてとセイバーはフェイトが何故ここにいるのかを疑問に思い首を傾げ、ユーリは両腕があいたことにより無理やり起き上がる。


「きゃっ……ユーリ何するの!」


「早くどかないフェイトが悪い。それと……下隠せ」


「えっ?……」


ユーリの指差す先、ショートスカートを履いたフェイトが片膝を立てて後ろへ手をついた状態で首を傾げる。そう、要するにショートスカートで片膝を立てた格好をすると、当然正面のユーリにはその中にある黒い下着が見えてしまうわけで……


「っ!?……ユーリのえっち……」


状況を理解したフェイトが顔を真っ赤に染め、瞳を潤ませながらユーリを上目遣いで見つめる。ユーリは自分を指差しながら、何で?という表情。そしてその両隣にいるはやてとセイバーは、二人のやり取りを不機嫌そうに眺めていた。


「(兄ちゃんに色目使っとる……)」


「(ヴァイス辺りなら一撃でしょう……フェイト、侮れません)」


「お前等も何で不機嫌なんだよ……(確か今日は、なのはとFWでツーオンワン形式の模擬戦だったな……)訓練場行くか」


ユーリは三人を困った表情で見渡した後、ベッドを抜け出して着替えを始めるのだった。



―――――――――――



場所は変わって訓練場、入り口付近。ヴィータ、シグナム、アインスが見つめる先、上空には巨大なモニターが展開され、そこに映っているのは、なのは、スバル、ティアナの三人だ。しかしどうも様子がおかしい。模擬戦の最中にもかかわらず、なのははバリアジャケットを解き、レイジングハートは待機状態。スバルとティアナは挟み撃ちを仕掛けたらしく、なのはの両横にいるのだが、双方の攻撃はなのはが素手で受け止めている。そして魔力刃を展開したティアナのクロスミラージュを素手で受け止めているなのはの右手からは、血が流れ出していた。



―――――――――――



「二人共どうしちゃったのかなぁ?練習で言うこと聞いて、本番でこんな無茶したら、練習の意味無いじゃない」


顔を俯かせたなのはの表情は見えないが、その雰囲気からは確かに怒りが感じ取れた。理由は、この模擬戦でスバルとティアナが危険を省みない作戦を決行したから。攻撃を受け止められているスバルとティアナは愕然とした表情。そして顔を上げたなのはの表情は……無表情だが、どこか悲しげに感じるものだった。


「私の教導、そんなに間違えてる?ねぇ、ちゃんと練習通りやろうよ」


ティアナはなのはの手から血が流れ出している事に気付き、魔力刃を解除すると後ろへ跳んで数メートルの距離をあける。そして辛そうな表情を浮かべながら、両手に握ったクロスミラージュの銃口をなのはへと向けた。


「私は、強くなりたいから!兄さんの強さを証明してくれた、ユーリさんのために……ユーリさんの背中へ、追いつくために……だから、強くなりたいんです!」


今まで無茶をしてきた理由を必死に叫ぶティアナ。だがその言葉を聞いても、なのはの表情は変わらない。そして、人差し指に魔力を集めるとティアナへ向け始めた。


「少し、頭冷やそうか?」


そのまま、桃色の閃光をティアナへ放つなのは。なのはのクロスファイヤーはティアナに直撃し、小規模の爆発と煙を巻き起こすのだった。











後書き


いてミ「〆さん、コメントありがとうございます!あなたは夢で何回死んだんですか……自分が同じ目に遭ったと考えただけでも恐ろしい(ブルブル……)と、取り敢えず次回をお楽しみに……」





[*前へ][次へ#]

6/47ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!