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魔法少女リリカルなのはStrikerS ―次元騎士―
セイバー「聖杯も、ロストロギアになるんでしょうか?」ユーリ「……あれは回収出来ないだろ」



訓練場の入口で待機するメンバーの元へ戻ったユーリとセイバーは、二人の関係性を知らないFWにその説明をした。最初は四人とも驚いていたが、今は楽しそうに会話を行っている。


「えっと……改めまして、ユーリのサーヴァントのセイバーです。よろしくお願いします」


「「「「お願いします!」」」」


五人の様子をユーリは微笑みながら見守り、そんなユーリを気まずい顔で見ていたのは……はやて達隊長陣だ。モニターに映っていたユーリとセイバーの会話を聞いてから、どうも表情が優れない。


「(兄ちゃん、何であんな事……)」


「(……ねぇ、聞いてみない?)」


「(でも、ユーリさんが話してくれるとは思えないし……)」


自身を消そうと考えているユーリ、そしてそれを可能にするロストロギアの存在。言い方は悪いが、ただ生きることが辛いだけなら自殺するなり直ぐにでも行動を起こす方法はある。だが、普段のユーリの様子を見て何か悩んでいる雰囲気は感じられないし、唯一考えられるイリヤの事についても、本人は受け止めて前を向いていると言っていた。ユーリが一体何を抱え込み、何故あのような考えを持っているのか全く見当もつかず、三人は落ち込んだ表情を浮かべたまま。シグナムとヴィータは三人の顔を見て気になったのか、セイバー達のいる所から歩み寄ってきた。


「主はやて、どうかなされましたか?」


「なのはとフェイトも、何かあったのか?」


シグナムとヴィータの言葉に、三人は慌てた様子で何でもないと答える。そのリアクションで更にシグナムとヴィータは首を傾げるが、特に追及する必要もないだろうという事で、ユーリのそばへと歩いていく。


「兄上、できればこの後稽古をつけて頂きたいのですが……」


「スペースがあるならオレは構わないぞ?」


「本当ですか!」


「私も兄貴に稽古つけて欲しいけど、新人たちの教導があるからな……」


シグナムは頬を紅潮させて嬉しそうにしているが、反対にヴィータは残念そうな顔で俯いていた。そんなヴィータを苦笑いで見ていたユーリは、視線をはやて達へと向け、元気のない三人を見てそばへと近寄る。


「三人共さっきから元気がないが、どうかしたのか?」


近寄ってきたユーリの顔を、何とも言えない表情で見つめる三人。その中でも、はやてはユーリの顔を見てから徐々に瞳を潤ませていた。ユーリがいなくなった時の事でも想像しているのだろう。


「何でもあらへん……何でもあらへん!」


身を翻したはやては空中に涙を漂わせ、駆け足で訓練場を後にする。フェイトとなのはははやての後ろ姿を心配そうに見つめ、ユーリはよく分からないといった様子ではやてやそばにいるフェイトとなのはを見ていた。そしてはやての声に気付いたセイバーが、FW達の所から歩いてくる。


「はやては、何かあったのですか?」


「いや、オレにもよく分からないんだが……」


近寄ってきたセイバー、それを見たフェイトは思いついたような顔になると、セイバーの右手をとる。なのはも同じような表情を浮かべ、セイバーの左手をとる事から、考えは一緒らしい。


「セイバー、ちょっとついて来て!」


「お願いします!」


「えっ?あの、ちょっと……」


二人に手を引かれながら走るセイバーは、状況がいまいち分からず困惑の表情。そしてそんな三人の後ろ姿を見ながら、ユーリは顎に手を当てて考え事をしていた。


「(……まさか、な……)」











後書き


いてミ「〆さん、コメントありかとうございます!このままじゃ色々なイベントが一気に重なってしまいそう……何とか整理しないと……取り敢えず次回をお楽しみにっ!」





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