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魔法少女リリカルなのはStrikerS ―次元騎士―
ユーリ「教会に来るのも久し振りだな」ゆかな『カリムは元気かしら?』



「着いたな」


ベルカ自治区に建つ、聖王教会と呼ばれる建物を見ながら男が呟く。彼の名前はユーリ クローベルと言い、この世界に存在する時空管理局という組織で中将の立場に座っている。ユーリは聖王教会の前に立ち、何か懐かしい物を見るような目で建物を眺めている。


『カリムに会うのは……確か2年振りくらいよね』


ユーリの左手中指にはまっている指輪から声が発せられる。ユーリのデバイスでゆかなといい、管理局のデバイスマイスターによって作られたユーリ専用のデバイスである。


「はやて達と同じくらい会ってないからそうなるな……」


ゆっくりと歩き出し、聖王教会に入りながらゆかなに対してそう応えるユーリ。そして中に入ると1人の女性と目が合い……


「お待ちしておりました。騎士ユーリ」


タンクトップ姿の女性が丁寧にお辞儀をする姿が見える。そして……


「久し振りだな……騎士シャッハ」


女性に対して笑顔を浮かべながら返事をするユーリだった。



―――――――――――


「ユーリさん、そろそろかしら……」


聖王教会の一角にある部屋。このそわそわしている女性の名前はカリム グラシアと言い、ここ聖王教会の騎士、そして時空管理局でも少将の地位を築いている人物である。5、6人程が座れるテーブルに1人ぽつんと座り、何かの写真を両手で持ちながらユーリを待っている。


「ユーリさん……」


カリムの眺める写真には聖王教会を背景に、腕を前に組んで顔を真っ赤にしているカリムと、両腰に手を当て笑顔を浮かべるユーリの姿が写っている。その写真を眺めているカリムもまた、ほんのり頬が紅潮している。


―――騎士ユーリをお連れしました―――


すると部屋のドアの向こう側、ユーリを連れてきたシャッハの声が聞こえてくる。カリムはその声を聞くと大慌てでテーブルの上に広げている別のユーリとのツーショットの写真とアルバムを整理し始め……


「シャッハ!ちょっと片付けるから待ってて!(ユーリさんが来た〜♪)」


ドアの向こうにいるシャッハへ返事を返すカリム。その顔は、長年の待ち人とようやく会える、そんな笑顔だった。




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あきゅろす。
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