テニスの王子様shortstories
IV
「今頃アイツ仁王先輩に呼び出されてるんかなー。」
思わず、顔がニヤけた。楽しいんだ。凄く、すごく…。
「……赤也…。」
「…なんすか?」
楽しんでたその時、部長が俺に声をかけた。
「…お前、大丈夫かい?」
`大丈夫´って、…俺が?そんなん、大丈夫に決まってんじゃん。
何なんスか、その不毛な質問。
「あったり前じゃないっスか。何言ってんすか部長。」
そういうと、部長は俺の腕をそっと掴んだ。
「…じゃあ、このリストカットの跡はなんだい?これのどこが、大丈夫なんだ……。」
そして、痛々しいその跡を撫でる。
「触んなッ」
バッと部長の腕を払う。
………ああ、気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い……ッ。
「…赤、也?」
「っ…気持ち悪いんだよ……っ。」
触んじゃねえよっ、俺に触っていいのは…
仁王先輩…ダケナンダヨ……───
「…しかも…この傷、…っ」
そう言うと、部長はもう一度俺の腕をひっぱった。
「っ離せよっ…」
「…ついさっき、つけたものだね………。」
「っ、離せっ…」
っ…ハッ、ハッ…
体が、熱い。熱が疼いている様な気がする。
「…デビル化してるよ?」
リストカットをした部分に、鋭い痛みが走った。
幸村部長が、爪を立てたのだ。
「…っ、いい加減に…っ 」
離せよっ…。
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