テニスの王子様shortstories
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「っあ、…ん、にお、…せんぱっはぁっ…」
あの後俺たちは仁王先輩の家に来てセックスをしていた。
仁王先輩も、壊れていたのだ。俺と、同じように。
「っく、…赤也。…愛しちょる。」
そう言って俺の唇に落とす口づけはいつにも増して優しくて、これが夢ではないのかと疑いたくなる。
「っあ、俺も…っす」
俺も、愛してる。というか、愛しすぎて困るくらい愛してる。
さっき仁王先輩が俺のクラスメイトを殺したいと言った時、嬉しくて嬉しくてしょうがなかった。
まるで、その言葉が仁王先輩の俺への告白のように聞こえてならない
「にお、せんぱっ…あっ…愛してるっ」
俺も……仁王先輩の周りにいる奴ら全員殺したいと思っても良いかな?
ねえ、仁王先輩……。
*******
「のう、赤也。」
情事が終わった後の、まったりタイムの様なモノが俺は好きだ。
この瞬間だけは仁王先輩を独占できるから。
「…本当に、アイツ殺すぜよ。」
ギラ、と仁王先輩の目が鋭くなる。それが俺には自分を愛してくれている証の様に見えた。
「うん、良いよ」
スリ…と、俺は猫の様に仁王先輩に擦り寄った。
「……俺も、仁王先輩の周りにいる奴殺してもいい?」
俺がそう言うと、仁王先輩は……
「もちろん、良いぜよ。」
気持ち悪いくらい綺麗に笑ってた。
ああ、俺達…どこで可笑しくなってたのかな?
前まではただ、愛しいだけだった筈なのに……どこで……────。
狂い始めて、しまったんだろうか………?
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