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テニスの王子様shortstories
V






赤也、おまんはきっとまだ知らんじゃろうな。俺の心に秘めているこのどす黒い気持ちを。


「……それでな。な、仁王もそう思うだろ!?」

「んー、そうじゃのう。」

適当にクラスメイトに相槌を打ちながら、俺はひたすら赤也の事を考えていた。

ああ、俺の愛しい、…愛しい赤也。

「それでさあ、あいつってばよ、……ったく、こりねえよなぁ?」

コイツ、良く喋るのう。集中して赤也の事を考えられんじゃろうが。

「そうじゃね。…おっと、すまんのう。英語の宿題が終わってないのを忘れとったぜよ。」

『じゃーの。』そう言うと、あいつは自分の席にへと戻って行った。

「……なんての。」

英語の宿題なんて、とっくに終わっていた。


「ハー……赤也に会いたいの」

いつでも、赤也を求めている自分がいる。
これは赤也には内緒じゃがの。
だって、キモイじゃろう?俺が赤也にデレデレだなんて。第一そんなの俺のキャラじゃない。

「…お、…。」

ふと校庭に目をやると、そこには愛しの赤也がいた。
いつの間にか、4時間目の授業が始まっていたらしい。

「………ソイツ、誰じゃ。」

ボソッと、1人そう呟いた。
赤也と親しげに話す赤也のクラスメイト。
……違うの、あいつは確か………。二ヶ月ほど前、赤也が好きだと俺に自己申告してきた奴じゃ。

…………。

「……笑うなよ。」

屈託の無い笑顔でソイツと話し続ける赤也。
あー……ムカつくの。一体誰のモノに手出しとるんじゃ。

………赤也、今日俺壊れるかもしれんけど。
それでもおまんは、まだ俺の事を好きでいてくれるかの?
のう、赤也。




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