危険地帯
6
「おーい!手塚?来たけど…」
「ああ、早乙女か。ちょうど良かった。
どうせホール、サボってたでしょ?これ着て客寄せしてきて。」
そう言って渡されたのはメイド服υ
だからどこで手に入れてくんの?
「分かった…。」
手塚はクラス委員長で執事カフェではオーナーとして皆をまとめてる。
だから、手塚の命令は絶対。
それは、いっちゃんが全部任せてるからってのもあるし、単にリーダーシップあるってことで委員長に選ばれたから。間違ったことや人が嫌がることはしないから良いんだけど。
手塚は私にはやたらに女装をさせたがる。
もしかして…バレてる?
まさかね。
「早乙女、着替え終わった?」
「う、うん。どうかな?」
「やっぱ早乙女のほうがそこらへんの女より可愛い。」
また無表情で…υ
「それじゃ、客寄せよろしく。」
「はい、了解っ!」
よーし、いっぱい人呼ぶぞー!
「ねえねえ、お姉さん。1―Aの執事カフェに来ない?」
「きゃあ、可愛いっ!行くわ〜!」
「じゃあ、これ。俺からのプレゼントって言っても割引券だけど、どうぞ。」
ふぅ〜。
割引券を配りながら客寄せ。
意外とメイド服は女の子受け良いみたい。
だいぶ割引券も無くなってきたしそろそろ教室に戻ろうかな。
と思ってたら…
ガシッ
「ねえねえ、君何年?可愛いね〜!」
「俺らと遊ぼうよ。学校デカいからさ、案内してよ。」
腕を掴まれたから振り返ったらチャラ男が5、6人。
やっぱチャラ男はチャラ男でも玲音先輩の方がかっこいいな。
なんて考えてたら腕を引っ張られて抱き寄せられた。
「な、放してよっ!俺は男だっ!」
「へぇ、声変わりまだ?」
声変わりなんてしてたまるかっ!
「俺たち、男でも構わないよー。むしろ、君くらい可愛いかったらラッキーだよ。」
男でも良いとか危ないっ!
誰か助けてー!
「その子を放してもらえるかな?」
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