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危険地帯



「逆に質問して良いかな。
何で俺が知ってるんだと思う?」


「え?」


「考えてもわかんなかったらおいで。」


「何でって…聞きに来たのに。」


「ちょっとは考えろよ。」


俺のことを。
俺のことしか考えられないくらいに、
俺のことしか見えないくらいに。
そして、早く思い出してくれ。












「俺からも質問して良いか?」


「あ、はい、何ですか?」


眉間に皺を寄せて考えこんでた樹里に亮は哀しそうな目で問いかけた。


「樹里には忘れられない人っている?」


「…います。」


「っ!それって…」


「優しくて強くて私にとって大切な人。もう伝わらないけど。」


大好きな人。
でも、何で記憶がボヤけるんだろう。











そろそろ戻らなきゃ。


「ちょっと自分で考えてみようと思います。
じゃあ、失礼しました。」


そう言って出て行こうとする樹里に。


「文化祭、気を付けろよ。」


「?

はい、分かりました。」


亮に言われた言葉に首を傾げながら出て行った樹里だった。



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あきゅろす。
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