弱ペダ小説
今荒☆箕寄様リクエスト※微裏未満(エロ要素欠片もないw)
4月2日。俺の恋人の誕生日。ちゃんと祝ってあげて、最後は自分も楽しんで…という、完璧な計画を立てていた。
だが、今は4月3日。1日遅れのバースデーを祝ってあげている。こんなことになったのも、俺の家庭環境のせい。だから今日は、祝ってあげられなかった分、目一杯甘えてもらおうと、俺の家に招いている。
荒「ぁ…、…す、すげぇ……アセ」
家のデカさが想像の斜め上を行き過ぎたのか、招き入れてから数十分経つが、未だに呆然と口を開けたまま立ち尽くし、すげぇ…と呟いている。
今「荒北さん。こっちです」
荒「お、おう…アセ」
緊張しているのか、ぎこちなく着いてくる荒北さんにペースを合わせ、必死ににやける顔を元に戻そうとする。
今「親は海外に出張していますし、高橋も休暇をとっていて居ないので、そんなに緊張しなくてもいいですよ」
荒「そ、そぉか…ホッ」
今「はい。それより、折角なんで甘えてくださいよ」
甘えるという言葉にあまりピンとこないのか、珍しく腕を組んで考えこむ荒北さん。長くなりそうだと思い、2人分のお茶をいれに、キッチンに向かう。
少し経ってから、お茶をいれている俺の元へ走って来た荒北さんが、小さく俺の服の裾を引っ張ってきた。身長差があると、こういった面で得をする。
荒「なぁなぁっ!俺、お前と晩飯作りてぇっ!!//」
今「つまり…ディナーってこと…ですか?アセ」
荒「まぁ…そう、だな…//」
見つめながら問いかけると、恥ずかしいのか俯いてしまう。
今「まだ…この家に慣れてないんですか?」
荒「……コクン」
今「でも、いずれは俺たち2人で住む家なんですよ…?」
そこまで言ったところで頭を叩かれてしまった。身長差があるというのに、どうして叩く時だけはこんなにも正確なんだ。
荒「うっせぇっ//…ほら、なんか手伝うことねぇのかよ…」
今「あ、はい…。じゃあ……」
ディナーを作るのはいいが、何をしてもらったらいいんだ。包丁はいろんな意味で危ない。水を使って荒北さんの手があれても困る。火も危ないし、お皿を出してもらうか。でも落として割ったら大変だ。
荒「おい。俺に任せるのは危ないとでも思ってんじゃねぇだろうな?ギロ」
あまりの間に、不審に思った荒北さんが睨みを利かせる。
今「包丁で手を傷つけてしまっては大変ですよ?それに荒北さんが持つと…、犯罪を犯した人みたいで……アセ」
荒「イラッどぉゆぅ意味ぃ?ちょっとそれ貸せっ!」
今「危ないですってっ!アセ」
とんとんとんっ…
今「えっ……、うまい……アセ」
荒「だろ?だから大丈夫だって言ったじゃねぇかっ!」
悔しいが、プロ並みの手さばきだった。…って、ここは喜ぶべきだった!
今「じゃあ、荒北さんは具材を切ってもらっていいですか?」
荒「あァ」
とんとんとんっ…
軽快なリズムに、これなら大丈夫だろうと安心しきっていた。不意に、音が止まったことに気づき荒北さんの方を見ると、左手をおさえていた。指先からは、少量ながらも血が出ている。
今「荒北さんっ!アセ」
荒「…大丈夫だよフイ」
こんな時にまで顔を背けてしまう。荒北さんの手をとって消毒し、絆創膏を貼る。
今「今日は、甘えるんですよ!」
荒「おぅ…//…サンキュ///」
今「じゃあ、いただきまぁす」
荒「…いただきます」
さっきのことが引っかかっているのか、あまり食が進んでいないように見える。
今「荒北さん。さっきのことは気にしなくてもいいんですよ。ほら、荒北さんが作ってくれたスープ、凄く美味しいですよ?」
そう言ってスープを飲み、微笑みかける。そんな俺の様子に、荒北さんの表情が少しだけ和らいだ気がする。
今「荒北さん。慣れると早いですよねアセ」
荒「ン〜…だってェ、オリコウチャン…。人間はねェ。慣れるものなんだヨ…スリスリ」
匂いを確かめる様に、俺の腰に腕を巻き付けて鼻をすり寄せて来る。
今「あっ!ケーキあるんですよ?食べます?」
荒「食うっ!パァァ」
今「じゃあ、はいこれ…」
荒「何だよコレ…」
今「クリームですよ。ここを押して絞りだすんです」
荒「こぉ?」
きゅ…ぷしゅっ…
荒「あっ…」
べちゃぁ…
今「あ、服大丈夫ですか?アセ」
荒「まァ、替えがあるからいンだけどぉ」
そう言って、クリームで汚れてしまった服を脱ぐ。
今「あ、荒北さんっ!なんでここで脱ぐんですかっ!!///アタフタ」
荒「あぁ?いいだろ別に」
今「べ、別にっ…て…///カァァ」
荒「ちょっ、なんだヨ…アセ」
焦る荒北さんをよそに、俺は彼をゆっくり押し倒す。
今「いちいちエロいんですよ…。荒北さんは…アセ」
荒「知らねぇよ…//」
抵抗を見せないということは、好きにしていいのだろうか。
今「荒北さん見てると、我慢できなくなります…」
ちゅっ…
あまり甘くないクリームを、荒北さんの胸板から舐め取り、2人きりの甘い夜を過ごした。
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