弱ペダ小説 今荒☆間無様リクエスト 俺はこの年、大学受験を控えていた。鳴子にしつこくどこにするんだとギャンギャン言われたが、その答えは、もう2年ほど前から決めていた。 自転車競技部があって、尊敬する元主将も居る。そして何より、あの人が居る。 『オリコウチャン』 もう2度と、あんなこと言わせない。 〜〜〜♪ 今「もしもし…」 ディスプレイを確認せず電話を取る。この着信音は金城さんからの着信の時の音だ。 『久しぶりだナァ。オリコウチャン』 今「……」 声が出なかった。本当に驚いた時というのは、声を発することはおろか、身動きも取れず、ただ呆然と立ち尽くすしかないのだろうか。 荒『おい、聞いてんのかよ』 今「あ、はいアセ」 荒北さんの声で、一気に現実へ引き戻されたような、そんな感じがして、同時に何かへの焦りから、胸の鼓動が速くなるのを感じた。 荒『大学どこ行くのォ?オリコウチャン』 先程からオリコウチャンを連呼するのは、俺を煽っているからに違いない。俺は敢えて、冷静を保ちながらも、少しむすっとした声で返事をしてみる。 今「…まだ決めてません」 荒「あら、怒ったァ?」 ひっかけられてるとも知らずに、楽しそうに笑う荒北さん。勝ったとばかりに心の中でガッツポーズをする。 荒「まァいいか。それで、決めてないンだっけェ?マズイんじゃなァい?」 今「でも、父さんに勧められている大学はいくつかありますよ」 荒『さすがだねェ。やっぱオリコウチャンは、そのどれかに行ってあげるんだろォ?』 この時、胸にズキンとした痛みが走った。俺は自転車をやめて、偏差値の高い、優秀な大学に入るように言われていた。 高校まではよかった。まだ子供なのだから。だが、大学に行くようになれば、心身共に変わってくる。 大人の仲間入りをすることになる。 今「わかりませんよ」 荒『そうなのォ。まァ、オリコウチャンがどこ行こうと、関係ないからねェ。お勉強頑張って、賢いとこ行くこったねェ。オリコウチャン』 今「いいましたよね。わかりませんって」 荒『あァ?』 金『おい、荒北。それは俺の携帯だろう』 近くで金城さんの声が聴こえる。そう言えば金城さんからの着信だったんだ。 荒『ごめんねェ。オリコウチャンの番号知らなくてヨ。で、なんだっけェ?w』 今「俺…案外オリコウチャンじゃ、ないかもしれないですよ…」 荒『…あっそ。楽しみにしとくヨ』 金『すまなかったな、今泉。またな』 そう言って電話が切られた。なんか、見透かされてるみたいで、負けた気分。 荒北さんにははじめから分かっていたのかもしれない。 『オリコウチャンじゃないかもしれないですよ』なんて…恥ずかし。 俺は洋南大学に入る。偏差値なんて関係ない。 今度こそ本当に… 今「オリコウチャンなんて言わせない!」 間無様リクエスト!細かいシチュまで記載して頂きありがとうございますヽ(*゚▽゚*)ノ 書きやすかったですー笑 こんなでよろしかったでしょうか?アセまたリク待ってます! [*前へ][次へ#] [戻る] |