乳牛妖精☆もぅもうクン
醜いボクの夢、どうか僅かでも美しい姿で貴方の傍に居られますように…。流れ星が輝いた日、お空にお祈りして貴方にまたあえることを願いました。
消えそうなボクの命、どうか僅かでも燈り貴方の元へこの思いが届きますように…。そよ風が牧草を揺らした日、お祈りしました。
『ウシオは男の子だけど、ウチで産まれたからにゃ大切なウチの家族だ。だからみんなでお世話するぞ!』
みんな、ありがとう。
ボクはとっても幸せだったよ。
…◆…◆…◆…
遠い夏の日の記憶。
俺が小学校に上がる前、牧場で可愛がっていた仔牛が死んだ。その生まれた6ヶ月の牛は雄牛、乳牛は雌のみで雄は殺されて食用牛になるか品質が悪い雄牛は食用にもなれない、ただ種を作るだけの道具になるそうだ。
何年か後牧場は閉鎖、俺達家族もその地に留まらなかった。
亡くなった小さな雄牛を育てたらきっとお乳が出る大きな牛に育つのだろう。そんな期待を斯くも打ち砕かれた当時の記憶は長い月日を重ねるうち遠くに消えて失くなりかけていた。
「今日からお世話になります、【日下部 元幹】(クサカベ モトキ)と申します。農業に携わるのは久々ですが精一杯頑張りますのでよろしくお願いします!」
「えぇ…よろしくお願いしますよ、日下部さん。じゃあまず手始めに牧草を刈ってきてくれますか?建屋の西側、あそこ全部ウチのだから。」
「はいっ、分かりました!」
威勢だけは良い俺は去年、今この御時世大不況の中リストラにあってしまった。44歳と言う年齢からなかなか営業や販売には受からず、半ば諦めながら適当に提出した書類でココ[ヨルヒ乳業]に就職することが出来た。
「わあぁ、ココ全部ヨルヒ乳業の敷地か。すっげぇー広大だなぁ…」
『もぉんっ、』
「えっ…?」
『もぉおんっ、』
建屋の西にある広く先まで見渡せない牧草地にたどり着いた俺は早速草刈り機で牧草を取っていこうとした。すると独り言にまるで反応したかのよう。目の前で小さな影が草叢をガサガサと揺らしている。
気になって忍び足で近付いた俺はどんどん近づいて見えた人影に息をゴクリと飲んだ。
「お、男の子?」
『も、もぉ?』
「えっ、」
『もぅもぅ!!』
高く舌足らずな声で鳴いた小さな男の子は下半身丸出しで下に何も履いていない。薄い牛柄のタンクトップに牛柄のアームウォーマー、黒い髪から覗く牛耳とお尻に尻尾。首には大きな金のベルをつけていた。
不思議な男の子のおちんちんが飛び跳ねる度にプルンプルン揺れて、不覚にもドキッとしてしまう。
「キミ…お父さんやお母さんと一緒かい?」
『もぅもぅ!』
「え、えっと…お父さんお母さんとはぐれちゃったのかな?」
『もぅもぅっ…』
「えぇっ!ちょ、ちょっと待ってキミ!こんな格好して外に出て…あゃっ、どこ触ってるの!?」
可愛いお目を輝かせ突然縮こまった男の子は自分のおちんちんをムギュムギュと握りはじめたのだ。まさかここで尿意を催したのだろうか、場所が場所な為近くにある倉庫に俺は彼を連れていくことにした。
「キミ…大丈夫、かい?」
「んんっもおーっ!」
「ん!?え、胸が痛いのかい?」
「んっ」
「え…、」
しかし倉庫に向かう途中、地面に腰を下ろしてしまった男の子は胸を抑えハァハァと息を荒げる。
どうしたのだろうか、何が何なのか全く理解出来ない俺が介抱しようとした次の瞬間、薄いタンクトップの生地から淡い桃色の乳首が透けてナント、そこから2回。白い液体がピュッピュッ噴出してきたのだ。
「あぅうっ…す、すっきりしたぁーっ!」
「あ…、ど…ど、どういう…あ、」
「は、はじめまして!ボクはにゅうぎゅぅよぉせぇのもぅもうくんですっ!」
威勢よく自己紹介するも何がどうなっているのかやはり分からない。でも訳の分からないこの子との出会いは全ての始まりで、俺の思いや人生を揺るがす彼との物語が始まったのだ。
◆
オワレww
[*Ret][Nex#]
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