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「結局、初代さんが、」
「ジョットだ」
「・・・ジョットさんが」
「ジョット、だ」
「・・・・・・・・・・・・・ジョットが」
「ああ、何だツナヨシ?」
「ジョットが現実世界で実体になれたのって、なんで?」
敬語も禁止されていた少年が嘆息しながらもやっと言った己の名に、満足そうにしながら初代はツナの額をそっと撫でた。
「ボンゴレの証を継承すると、言ったろう?」
ボンゴレの証。
それは歴代の大空達の魂そのもの。
大空のボンゴレリングを持つものは、多大なる業と共に彼等の魂をも受け継ぐ。
「つまりは、これからはずっと一緒ということだ」
「・・・・・・・・・・・・」
膝に抱き上げられ、祝福を送るようにキスの雨を降らす初代に、ツナは顔を引き攣らせる。
(ボンゴレの証を継承するとか。言われた覚え、ないんだけど・・・・?)
何故だか物凄い押し売りをされ、ついでに詐欺に遭った気分だった。
リボーン達が自分達を探してるんだろう爆音が段々大きくなってきていて基地が崩壊するんじゃあという気がするから降ろして欲しいとか、言いたいことは色々あったものの。
いつもは無表情なんだろうこの人が向けてくれるこの優しい瞳を、もうちょっと見ていたいだなんて思ってしまった自分は、少し爺馬鹿なのだろうか。
(まぁ、おかしなことじゃ、ないよね?)
遠いけど、血は繋がっているらしいし。
あの駄目親父にでさえ久しぶりに会えた時は、少し嬉しいと感じてしまうのだから。
だから、
・・・・もう少し、この心地よい温もりを感じていても。いい気がする。
数分後、見つけたぞという悪鬼の顔をした家庭教師達に飛び上がった少年が、それが家族に対する親しみとは違うのだと自覚する日は。
以外と、近いのかもしれない。
<...fine>
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