第二の人生 異国の夜 ガキの細い指。 髪に触れた指の感触がいつものと違う。 たったそれだけのちっちぇえ理由が脳内麻薬を出血大サービス。 衝動的に動いてしまった。 イカレた美少年の手を叩き落とし、欠片の理性が、やっちまったよ〜!と言う。 後悔が一瞬脳裏をよぎったものの、それはビューンと高速で姿を消す。 被っていた白い布団が落ちて目がチカチカしたが、苛立ちが先に立ち眉間にシワが寄るのを自覚。 驚きの表情でおれを見たガキは直ぐに柔和な微笑みに戻すと、アホをほざく。 『麗しき蕾よ、苦しゅうない』 近う寄れ、といいつつ再三の接近を試みるガキに、沸騰したままのおれの脳みそは拒絶反応。 伸びた手も払い、ばかアホ寄るな触るな、必死にあがいた。 固まっていた四肢は、火事場の糞力というもんで、ちゃんと本体の意志を汲んで暴れてくれた。 しつこいガキの頬に、めちゃくちゃに振り回していた手が掠めた。 少し伸びた爪が美少年の頬に赤い線を刻んで、キズモノになった美麗な顔に、してやったりと刹那、思ったのも束の間。 それを境にガキの動きが鋭敏になり、瞬く間に布団の上に抑えこまれてしまう。 うつ伏せにされ、背に乗られ、最初に手、次に足を縛られる。 なにしやがんだ! おれの怒声にはとぼけた声で 『オイタが過ぎるぞ』 返されて。 ばか!しか言えない口にも布を噛まされた。 <<>> [戻る] |