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第二話‐弐

「兄って…お兄さん!?犬夜叉…!?」


ドクンッ


「(これは四魂のかけらの気配…!!場所は…あの女の子!?)」


かごめの見た先には殺生丸とは違う鬼の腕に座り、つまらなさそうに頬杖をつきそっぽを向いている猫芽がいた。


「犬夜叉!!あの女の子、四魂のかけらを持ってるわ!!」
「なんだと!?」
「…へぇ……分かるんだ」


猫芽はちらりと横目でかごめを見遣ると、懐からかけらを取り出し人差し指と親指で持ち上げた。


「「!!」」
「猫芽…!!それをどこで…」
「昨日拾った」
「なっ!!何故それを殺生丸様に…」
「どうせ興味ないって」
「ごちゃごちゃとうるせぇな!とっととそれを渡しやがれ!!」


犬夜叉は猫芽に向かって拳を突き付ける。
だが猫芽は片手でそれをおさえた。


「なにっ!?」
「(犬夜叉が軽々と受け止められた…!?しかも女の子に…)」
「…やだねー犬ってのはみんな横暴で」
「貴様!!それは殺生丸様の事か!!」


バキッ


「ほげぇ!!?」
「(自分で墓穴掘ってやんの)」
「チッ!」


邪見は殺生丸に殴られ、犬夜叉は仕方なく地面に戻った。


――殺生丸に罵倒された犬夜叉は拳を握りしめる。


「殺生丸てめぇ…!!わざわざそんな事言うために来たのか!!」
「愚か者…私はそれ程暇ではない」
「(十分暇してんじゃん)」


その後も続くやり取りに猫芽はつまらなさそうに聞いていた。



「この役立たずが!」


バシンッ

グオオオ!!


「わわっ何!?」


突然揺れたため猫芽は飛び降りた。
その途端その場は凄い光に包まれた。


「…やれやれだ」
「殺生丸様、全てこの邪見にお任せを…」
「つまらぬ芝居に付き合わせおって……これで失敗したら…………殺すぞ」
「ひっひぃ!!お任せあれ…」





―――

「(こうなるんだったら邪見に着いていくんだった…)」


猫芽は今殺生丸と森の中を歩いている。


「………」
「(殺生丸と二人っきりとか有り得ない…)」
「………」
「(てか、あの二人ってホントに兄弟?母親が違うからって似なさすぎ……いや待てよ…顔は……似てない……似てる所と言えば髪の色しか…)」
「………」
「(まっ共通点は“性格に難あり”だな、ぷぷぷ)」
「………猫芽」
「っわ!な…何」
「……気を張っておけ…」
「わ、わかった…(考えてることバレた…?)」





「――…犬夜叉よ」
「(だぁーやっと着いた)」


殺生丸に黒真珠を抜かれた犬夜叉は右目を押さえる。


「死ね!」
「うわぁ!!」


ドバァン!


「…無女が庇ったか…」


そして人頭杖に突かれた黒真珠は光り、墓への入り口が開いた。


「うへぇ…気持ち悪…」


笑っている人頭杖を見て猫芽は顔を歪ませ、入り口へと入っていった。


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あきゅろす。
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