「兄って…お兄さん!?犬夜叉…!?」 ドクンッ 「(これは四魂のかけらの気配…!!場所は…あの女の子!?)」 かごめの見た先には殺生丸とは違う鬼の腕に座り、つまらなさそうに頬杖をつきそっぽを向いている猫芽がいた。 「犬夜叉!!あの女の子、四魂のかけらを持ってるわ!!」 「なんだと!?」 「…へぇ……分かるんだ」 猫芽はちらりと横目でかごめを見遣ると、懐からかけらを取り出し人差し指と親指で持ち上げた。 「「!!」」 「猫芽…!!それをどこで…」 「昨日拾った」 「なっ!!何故それを殺生丸様に…」 「どうせ興味ないって」 「ごちゃごちゃとうるせぇな!とっととそれを渡しやがれ!!」 犬夜叉は猫芽に向かって拳を突き付ける。 だが猫芽は片手でそれをおさえた。 「なにっ!?」 「(犬夜叉が軽々と受け止められた…!?しかも女の子に…)」 「…やだねー犬ってのはみんな横暴で」 「貴様!!それは殺生丸様の事か!!」 バキッ 「ほげぇ!!?」 「(自分で墓穴掘ってやんの)」 「チッ!」 邪見は殺生丸に殴られ、犬夜叉は仕方なく地面に戻った。 ――殺生丸に罵倒された犬夜叉は拳を握りしめる。 「殺生丸てめぇ…!!わざわざそんな事言うために来たのか!!」 「愚か者…私はそれ程暇ではない」 「(十分暇してんじゃん)」 その後も続くやり取りに猫芽はつまらなさそうに聞いていた。 「この役立たずが!」 バシンッ グオオオ!! 「わわっ何!?」 突然揺れたため猫芽は飛び降りた。 その途端その場は凄い光に包まれた。 「…やれやれだ」 「殺生丸様、全てこの邪見にお任せを…」 「つまらぬ芝居に付き合わせおって……これで失敗したら…………殺すぞ」 「ひっひぃ!!お任せあれ…」 ――― 「(こうなるんだったら邪見に着いていくんだった…)」 猫芽は今殺生丸と森の中を歩いている。 「………」 「(殺生丸と二人っきりとか有り得ない…)」 「………」 「(てか、あの二人ってホントに兄弟?母親が違うからって似なさすぎ……いや待てよ…顔は……似てない……似てる所と言えば髪の色しか…)」 「………」 「(まっ共通点は“性格に難あり”だな、ぷぷぷ)」 「………猫芽」 「っわ!な…何」 「……気を張っておけ…」 「わ、わかった…(考えてることバレた…?)」 「――…犬夜叉よ」 「(だぁーやっと着いた)」 殺生丸に黒真珠を抜かれた犬夜叉は右目を押さえる。 「死ね!」 「うわぁ!!」 ドバァン! 「…無女が庇ったか…」 そして人頭杖に突かれた黒真珠は光り、墓への入り口が開いた。 「うへぇ…気持ち悪…」 笑っている人頭杖を見て猫芽は顔を歪ませ、入り口へと入っていった。 前次 [戻る] |