マフィアの休日
凛とした立ち居振る舞い(オリキャラ+綱)
精一杯の強がりで
天使の力連載番外
「…。」
「…えぇ、そう?あ、そう頼んだわよ。」
「RC解析頼んだ」
[了解した。]
「………チッ」
「……………」
日本のとある山奥にある古城―主人を欠いたそこは、いつもの和やかな雰囲気とはかけ離れたピリピリした空気が流れていた。
と、いうのも―岸から無理矢理育ててほしいと送られてきた部下が任務でミスをしでかした所為でついていった春璃が部下を庇い敵のファミリーに捕獲されたのであった。
「…チッ」
いつものおちゃらけた態度とは正反対の籐夜は先程から落ち着きなく部屋を歩き回っている。
「籐…」
日頃から感情を表には出さない籐夜の兄の孝夜であるが今日は何を言うわけでもなく静かに部屋の隅で己の槍「天将」を研いていたが、落ち着きない籐夜を見てたしなめた。
「すまないな…綱」
孝夜は先程から部屋の雰囲気に怯えている綱に苦笑いをし綱もそれに答える。
「大丈夫…ヒッ!!!そ…そんなことより、春璃のいる場所わかったら…俺もいく。」たまたま来ていたツナたちであったが仲間のピンチということで本人の希望で救出の手伝いをすることになっていた
一方、肝心の部下はというと帰ってきてさも春璃は自業自得で捕まったと言いたげな報告をし笑顔で零乃に連れ去られていったが帰ってこない…零乃曰く手を出してはいないらしいが…
そんな訳で作戦室には綱、零乃、孝夜、籐夜、紗良の4人が諒太郎と蓮太が集める敵本拠地の情報を待っていた
「零乃さん…敵本拠地の情報って?」
珍しく愛用の武器を手に静かに椅子にもたれる零乃に聞いた
「そうね。綱くんはこういうの初めてよね?」
ちらりと物凄いスピードでキーボードを打ちいくつもの画面にむかう蓮太をちらっと見る
「は…はい…」
蓮太とサポートのためにあちらこちらに指示を出すRCの声にビビりながらも頷く
「もう少し時間かかるみたいだからひとしきり説明するからみんなも来て」
綱の後ろにいる孝夜達に声をかければ中央テーブルに集まってきた
「じゃあ、いちから説明するから」
■□■□
まず、敵の名前はゾルーアファミリー
岸の傘下だったんだけど何を思ったか他と結んで岸を倒そうとする…岸にばれてうちに“内情を探れ”と来たんだけどあの阿呆は“喧嘩を売った”結果は今の通り
今回は許可下りたから“好きなだけ暴れてよし”ただし殺さない。ヴィンディチェにぶち込みたいらしいから…ね…
零乃の言葉を一同が頷くのを見てから言葉を続けた。
作戦はシンプルよ桜歌に対する恨みの犯行らしいから当然、あたしたちの面は割れてると考えていいと思う
だから逆にそれを利用するの♪一同に作戦内容を耳打ちすれば全員が笑顔になる
「それが1番じゃね?」
「綱には零乃がいりゃ心配ないだろ」
「賛成♪♪」
「が…頑張ります」
全員の同意を得られたところでRCの声が部屋中に響く
[敵勢力全データ収集完了!!!いつでもいけます!!]
「綱、しっかり着いてきてよね」
全員が動き始めた
□■□
敵アジト地下六階
屈強そうな男が数人腕に鎖を付けられた春璃を囲っていた。そこにボスらしき男が現われる
「どうだい?ボンゴレの情報とか出た?」
「はあ…殴っても一向に口を開けずじまいですよ」
先程から春璃は男たちに殴られながらボンゴレの情報を出せといわれていたが一向に口を割らなかった
「不様だな。天下の闇猫様がよぉ」
男は春璃に近づくと無表情で垂れ下がる頭を持ち上げせせら笑う
「最強の名をこんなガキの作った部隊がほしいままにしてるなんてね…でたらめ言うなっつー話だ」
「なめんじゃねえ」
「あっ?」
先程まで何一つ言葉をはっさなかった春璃の口から言葉が漏れる
「んだよ?」
男が春璃の胸ぐらを掴んだ
ずごぉぉぉぉぉぉぉん
「私の家族をなめるな」
凄まじい爆音と共に彼女の胸ぐらを掴んだ男が吹っ飛ばされる
「!!」
「?!」
「バカな!!あいつ腕は両腕使えないはずじゃ!!!」
「「「!!!」」」
しかし男たちが攻撃に移ろうとした瞬間ボスを残し周囲の男が倒れ伏す
「なっなんなんだよぉ」
「あら、うちのボスに手を出したからにはそれなりの覚悟をお持ちかと思ったのに残念ね」
穏やかな笑みをたたえながら零乃が入ってくる
「春璃大丈夫か」
「!!」
「綱ありがとう大丈夫だから」
音もなく現れた綱が春璃に肩を貸す
「あ…甘いぞ…オマエラは袋の鼠だぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」仲間を呼ぶために懐から飛ばし用と思われるケータイを取り出しボタンを押す
[ごっめんなさーい♪あなたのケータイをぶっ壊させてもらいました☆彡春璃ちゃんに手を出されたのは頭きたんで☆彡]
「なぁぁぁ?!」
ケータイから聞こえてきたのはRCの声そして
「てか、」
「「「「援軍なんていねーけど??」」」」
「なぁぁぁ?!」
RCによって全体の映像が映り孝夜、籐夜、紗良、諒太郎、はては蓮太がそれぞれ制圧した映像が流れる
■□■□
「いやぁーありがとうございました!!」
「いえいえ〜」
全員をはっ倒した後桜歌と綱はヴィンディチェに全てを任せて屋敷を出た
「てか、春璃も春璃よ両腕使い物にならないからってケリで吹っ飛ばすなんて」
怪我人の春璃を諒太郎が背負いながら談笑してればさらっと零乃が爆弾を落としてくる
「えっ?!」
「あ、わかんなかった?ほら〜」
紗良が春璃の両腕を肩から離せばプラーンと重力に負けて落ちる
「あははははは…」
妙な冷や汗を掻きながら笑う春璃を他のメンバーが睨み付ける
「ま、それに俺たちが来るの予想して待ってるし」
「なぁ?!」
「気付かなかった?春璃一人であいつらたたむくらいできるぞ」
妙に誇らしげな籐夜に春璃は笑う
「だって絶対来るでしょ」
「「「「「あたりまえ(じゃん)」」」」」」
「みんな、ありがとう」
「…!!」
俺はこの時はじめて彼女が自然に笑ったように感じた
凛とした振る舞いの中にある無垢な笑顔それこそが彼女の本質なり
■■■■懺悔
…残念すぐる出来…
(c)Xanadu
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