マフィアの休日 震えていたんだ、指先が(クローム) 初めて気付いたその瞬間 すべてのことの発端は意外なところからだった 「嘘…」 ボンゴレの屋敷の一室で春璃は声を荒げた 「事実なんだね?」 綱が静に周囲に問えば周囲の仲間は苦々しい顔で頷いた。 ボンゴレ本部の会議室には守護者の一部とフゥ太にビアンキが勢揃いしていた。 忙しい仕事の合間を縫って尚集まったのには理由があった 「ええ、たしかに会社にクロームの母親が娘を返せと言ってきたの」 ビアンキの言葉に周囲は少なからず驚いていた。ボンゴレはマフィアとはいえ経営利益拡大のため表の世界で会社をいくつか経営してる。そこはもちろんバックにマフィアがいることなど社員にすら悟られないように工夫が施されている。 だが、それを見破り―ましてや娘がいることを突き止めるなど並の力では不可能であろう。そして何より彼らが気になったのは親の態度であった。 「クロームには悪いけど…嫌な親ね」 ビアンキは呟き言葉を続けた 「自分の娘を十数年ほったらかしだったのに女優の自分が選挙に出るからマイナスになりそうな点(=クローム)を消したかったみたい」哀れだと言うビアンキに綱も頷く 「おれ、こんな人がこの国にいることじたい嫌だ」 イタリアの議員の選挙の彼女のポスターを綱は珍しく忌々しそうに見つめる 「で、クロームの意志は?」山本が問えば春璃が返す。 「あんなとこ嫌―!!だそうだ。」事の次第を伝えると小さく震えていた。そして今はハルと京子が付き添っていると伝えるとみな表情を暗くする 「…でも、親が“いる”ならしっかり話したほうがいいんじゃねーか?」歯切れは悪いが獄寺はそういう 「…」 春璃は澄んだ瞳に悲しみを宿らせる 獄寺と春璃はそれぞれ家族との関係があまり良くなかった身だ。クロームの気持ちもわかるのだろう そして二人が一番“直接会って話をしなきゃ意味がない”ことを一番理解していた 「…直接会って話をするべきなんじゃない?」 雲雀が痺れを切らしたようにそう言えば綱は苦笑する 「…うーん」 そうしなきゃ片付かないことくらい綱だって理解はしてたがクロームのことを考えると渋ってしまう 結局その場はフゥ太の頭を冷やそうという提案に沿って流れ解散となった ■□■□ 「お風呂いってまーす」 「了解でーす」 キッチンで一日の仕事を終えて談笑するハルたちに告げ春璃は浴室に向かった。 「あ」 「!!」 浴槽には見慣れたパイナップル頭のクロームの姿があった。何を思ったのか逃亡をはかろうとするも春璃の前では為す術もなく浴槽に戻された 「春璃…どうしたらいい?」 しばしの沈黙の後クロームは口を開いた 「えっ?」 「あたしに興味なんてなかったのに…今更あの人に会いたくない…」 小さく震える肩を春璃は優しく抱き締めた 「あたしは…会うべきだと思う。きちんと話をしておいで」 「やっ…」 姉貴分の春璃にそういわれたせいかクロームは涙を浮かべる 「ちょっ!!!話は最後まで聞いて。いい?クローム…あなたは一人じゃないの」 「えっ?」 柔らかく笑む春璃にクロームは不思議そうな顔をする 「私たちは“ファミリー”でしょ。それにうちのボスは友達救うためにマフィアのボスになる人よ。あの底無しのいい人があなたを放っておくと思う?」 クスクス楽しそうに笑えばクロームの瞳が揺れる 「そうね…あたしには“ファミリー”がいるもの」 いつの間にかその小さな体の震えは治まっていた 「前を向いて歩けば大丈夫」 撲殺天使が現れた☆ ■□■□ はい、ども慧斗です。 頑張ってお題を消化中… うん…一番出来がひどい…ぴぎゃあああああ(>_<) 後ろに撲殺天使が見えるよぉぉ(-ω-) (c)Xanadu [* indietro][prossimo#] [戻る] |