3 「ご、ごめん・・・なさい・・・」 思わず謝ることしか出来なくなる(俺が敬語を使うなんて、滅多にないんだからな!)。すると彼らは俺に構う時間などないのだ、と思い出したかのように目線を俺から机の上の参考書とノートにスライドさせて、また黙々と勉強を始めた。 「なんで、いきなり勉強するとか言い出すんだよ!」 今度こそは彼らに冷たい視線を与えられないように小さな声で、まだ笑い続けているロイに怒った。 「だって、おまえは主席だから何も考えなくたっていいけどさ。一様、俺は次席なんだぞ?つまり、まだ俺は上を目指せる訳だ」 ああ、成る程。何となく、納得。だけど、何となく、むかつく。 「ふーん」 まあ、俺が主席以外になることはないと思うけどさ。 いや。も、もし。もしも、だ。もしも主席をロイに奪われたらどうしようか。「俺と勉強、どっちが大切なんだよ」とでも言ってみるか?いや、やめた。馬鹿らしい。 [*前へ][次へ#] [戻る] |