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帽子屋の狂い言
ふたごのおるすばん
「あたしが三月と芋虫との待ち合わせ場所に行く間、この家を綺麗にしておいて貰えると助かるわ」

僕らが大好きなアリスに頼まれたことは
僕らが慣れていないことだった

「一応普段から片付けているつもりだけど・・・・・・適当にクッキーや飲み物を飲んでいて」

僕らはよくわからないままに
僕らはうんと頷く

「では、あとはよろしくね!」

去っていくアリスの背中を見ながら
僕らは首を傾げた

「僕らは綺麗にするんだよ」
「僕らは綺麗になるんだよ」

まずは、お風呂にお湯をひいて
石鹸を入れたら綺麗になるかな?
お湯が溜まるまではクッキーの試食
物足りないからクリームをトッピングしよう
石鹸の泡が廊下まで来たけれど
いい香りが充満してる
そうだ飾り気のない戸棚にはクリームでデコレーション
色の足りないアリスの部屋は
花びらを散らして絨毯に
クッションの羽毛を取り出して玄関にひけば
オアシスの出来上がり
そうだ! ここには絵が足りないよ
仕方ないから壁一面に絵を描こう
床にもはみ出したけど綺麗だからいいよね
鮮やかな虫を放したら
キラキラ燐粉が宙を舞う

僕らはとっても頑張ったよ
アリスは喜んでくれるかな?

「ただいま!」

アリスが三月ウサギと芋虫と共に帰って来た
おかえりアリス! 待ってたよアリス!

「僕らは綺麗にしたよ!」
「僕らが綺麗にしたよ!」

アリスは笑顔のまま固まった
三月ウサギは爆笑して
芋虫は眉を八の字に曲げてる

綺麗なものでいっぱいになったアリスの家
喜んでもらえるよう頑張ったアリスの家

「・・・・・・ありがとう双りとも。・・・・・・と、とってもうれしいわっ」

アリスが喜ぶためなら
僕らはなんでもするよ
アリスの世界を
綺麗なものでいっぱいにすすよ
でもなによりも
アリスの笑顔が1番綺麗

だからこれからも
君の笑顔がずっと続くことを願うよ






End

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あきゅろす。
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