[携帯モード] [URL送信]

空想生物辞典
下水道に棲む巨大な白いワニ
アメリカ、ニューヨークの下水道にはアルピノの巨大なワニが棲みついているという噂がある。
子供のペットにしようと、フロリダからワニの赤ちゃんを取り寄せるのが流行していた。飼い始めこそ、赤ちゃんワニは小さくて可愛かったが、成長するにつれ巨大化し、やがてもてあますことになる。親たちの中には、その厄介者になったワニをトイレに流すものも出てきた。
運よく下水道に流れつき、劣悪な環境の中を生き抜いたワニが、今度は下水道の中で繁殖しはじめた。そして下水道で生まれたワニに視力は必要ない。代を重ねるうちに、目はどんどん退化し、視力を失っていった。同時に体色も失い、真っ白なアルピノばかりが育つようになった。
ニューヨークの下水道には、そんな目の退化したアルピノのワニたちがウジャウジャ棲んでいるという。
実はニューヨークでは、かなり以前から、ホームレスや下水道局の職員が行方不明になる事件が相次いでいた。そこで市局が調査を行った。
すると、どうだ。
下水道に棲みついた巨大な白ワニが、人間を襲っているという事実が明らかになったのだ。そこで、「白ワニ捕獲隊」がひそかに結成されている……。
実際、下水道は、豊富な水があり適度に暖かいため、爬虫類にとっては暮らしやすい環境のようだが、ワニにとってニューヨークの冬は寒すぎる。ワニは自分で体温調節ができない爬虫類(変温動物)。残念ながら、厳寒のニューヨークでは活動できずに、死んでしまうだろうし、下水道にウヨウヨいる病原菌を考えると、繁殖するのも不可能に近い。

下水道の白ワニ話は、アメリカ発祥の都市伝説だが、ペットとして爬虫類などを飼う家庭が増えたせいで、日本でも似たように語られるようになった。実際、東京都練馬区石神井公園の三宝寺池でワニを目撃したといった騒ぎまで起きており、そのような環境の中でこうした噂がなされるようになったのだろう。
都市伝説ではなく、アメリカでは実際、ニューヨークの下水道でワニが発見されているし、ウィスコンシンやイリノイ、ミネソタ、ニュージャージー、フロリダなどの各州で、カンガルーやピューマが目撃され、また大トカゲやペンギンなどが捕獲されるなどの不思議な事件が、ときおり起こっている。
本来の棲息地ではない場所に出現しているこれらの“場違いの動物”は、調査してみると事件当時、動物園やサーカスから逃げたり、ペットが棄てられたり逃げたという話が、なぜかない。
そこで、なにかのひょうしに瞬間移動してきた“テレポーティング・アニマル”ではないか、とも噂されている。
つまりアルピノのワニ自体は、希少ではなく存在している。
情報では、アメリカフロリダ州セントオーガスティンのワニ園で実際に見ることができ、体長は約2.5メートルだという。

[前へ][次へ]
[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!