二次創作/夢 此の世で最も有り触れた呪いは−エピローグ 邂逅の時、静寂は立ち消えて ―春。 東京都立呪術高等専門学校にて、後に黄金の世代と称される少年少女が一堂に会する。 登校初日、五条悟は指定された教室へ出向こうと、遅刻上等の時間に長い足を交互に繰り出して廊下をスタコラと歩く。和風の入り組んだ建物の造りにうんざりしながら、先に見える左右への分岐路をどちらに行こうか思いを巡らせた時、曲がり角から気配を感じなかったのに男が現れた。 「…あ"!?」 「ん?」 出会い頭に互いの顔を見て何かに気が付いた二人は、二者二様の反応を見せる。かたや白髪蒼眼サングラスの少年、かたや唇を縦断する一筋の傷を持つ黒髪黒目の男。明らかに柄が悪いのは後者の方だが、前者は顔の良さを台無しにするドスのきいた声だった。 「おいオッサン、お前なんで俺の感知に引っ掛からない」「あお前、五条の坊か!!」 同時に発した言葉は、お互いにぶつかって廊下の先に消えていく。二人とも性格は違えど我が道を行くタイプなので、自分の言葉が遮られたように感じて少しムッとした。しばらく見つめ合った後、再び口を開く。そして二の句、三の句を告げばまたしても音が被るではないか。 「「おい、」」 「「人の話を…」」 「「………」」 そして走る沈黙。 「上等だコラァ!!!!」 「うっせえクソガキ!!!!」 気の短い実力者同士によって突然大乱闘スマッシュブラザーズ(呪術界ver)が始まったその時、由緒正しき高専の校舎が一部損壊する未来が決定した。 ―これが後に参加者を増やして108回も開催される、トップオブクソ選手権の記念すべき第一回大会である。 斯くして幕は上がる ●玉簾 社(たますだれ やしろ) 「なんか校舎揺れてるねえ、傑くん。なんか甚爾くんがはしゃいでる気がするなあ…え?甚爾くんが誰かって?すぐ分かるよ」 DATA : 母娘共に■■■■の祝体としての素質を持つ。父親不明。母が娘の事を第一として■■■■に愛という祈りを捧げ続けた結果、性愛を基にした性質を捻じ曲げて■■■■の完全受胎を果たした。7つまでは生命維持も兼ねて■■■■が表に出て生活していたが、8つになったその時に完全に融合。玉簾社が■■■■であり、■■■■が玉簾社となった。なおこの際、人という枠組みに当てはめる為、■■■■は呪霊にカテゴライズされた。 愛を力とし、愛を説き、愛で包むことが存在意義の全て。信者の数だけ呪力が増し、信仰の大きさだけ周囲への干渉力も増す。 術式 : 本来術式は肉体に刻まれるものであり、血縁にその相続者が現れる事が多い。しかし、玉簾社の持つ■■■■由来の術式は魂に刻まれるもの。御代に一人しか持たず、この術式を持つ者が亡くならない限り次の適合者は現れない。また、前にこの術式を持っていた者と血縁であることはほぼ無い。社の場合は母も適合者であったが、■■■■を降ろして融合する前に亡くなったこと、■■■■を唯一神として娘の事を第一に祈りを捧げたことから、術式が魂に刻まれることはなかった。しかし適合者であったが故に、強い祈りを以て■■■■の神としての在り方を正(プラス)の方向に歪めた。今後適合者となった娘に同影響するかは不明。 現信者 : ・伏黒甚爾→初めての信者、故に社にとっての唯一。手放すも何も、己の物であると信じて疑わない。俺のカミサマ。 ・夏油傑→社に救われた第二の信者、社の唯一となりたい気持ちを今後募らせていく。神格化しておきながら、神を引きずり落としたくてたまらない。 [*前へ] [戻る] |