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月に一度(炎白)※R表現あり 未完

(急がば回れ、なんて言葉がたしか東洋の方にあったな…)

スティングは早歩きをしながらそんなことをぼんやりととくに意味もなく考えていた。

今日は月に一度の大切な日。ーーー彼の恋人であるナツの家に泊まりにいく日だ。
この習慣はかれこれ5ヶ月ほど続いているだろうか。それでも未だに緊張するのは、きっとこれからするであろう行為へのものだろうか。
期待と欲に急かされる足を抑え、ゆっくりナツの家へと向かう。
もうすぐ、見えてくる。そのとき、

「スティング」

まるでそこだけ春が来たかのような、見事な桜色。風にふわりと揺れる白いマフラー。いつもは好戦的な瞳に浮かぶのは、慈しむような優しい光。




「…っ…ナツさん…!」

思わず駆け寄って飛び付く。ナツはしっかりとスティングを受けとめると、頬にキスを落とした。

「お疲れ様、おかえり」

「っただいま、ナツさん」



……………………………………………………



「遅かったな」

二人ソファーに座りどちらともなく肩を寄せる。
少し休憩しているとナツがスティングの頭を撫でながらそんなことを呟いた。

「うん…仕事が、ね」

本当は遅くとも昼にはここにつく筈だったのだが、急いでいるときに限って用事は増えるらしい。近道だ、と入った細道で迷子の子供を見つけてしまい、結局気づけば夕方。それゆえの冒頭の『急がば回れ』なのだが。
そんなスティングの様子にナツはふと頬を緩めると、ぽんぽん、と頭を叩いた。

「迷子の子、助けてやったんだろ?お疲れさん」

「えっ…なんで知って…?」

驚くスティングにナツはクス、と笑いを溢しながら、見てた、と悪戯っぽく告げた。

「迎えに出たんだよ。そしたらさ、泣いてる子供の前で慌ててるお前見てさ…遅くなるな、って思った」

スティングは頬を少し赤くしながら見られてた…と苦笑した。
その行為自体は何らおかしいことはない。むしろ胸を張れるものなのだが、それが見られていたとなると話は別。ましてやそれが、自分の恋人だなんて…。
くすぐったいような気持ちを隠すように、ナツの肩に寄りかかる。


「わ、甘えたがり」

「ナツさんだけ…!」

「知ってる。じゃなきゃ燃やす」

「え、ちょ、それは怖い」


二人笑いながら下らない話をする。

「もー…ナツさん、好き」

「俺は…」

「な、なんで考え込むの!?」

ふと言葉を止めたナツに焦り、スティングがその顔を覗き込むと。


「ナツさーーー……………っん」

噛みつくようなキス。
驚きと緊張が入り交じるなか、高まっていくのは愛か、欲か。
期待に目を閉じ唇を緩く開けば、すぐさま熱い舌が割って入ってくる。

「ふ…んん、んは……………んぅ」

鼻にかかる甘い声が静かな室内に響く。

(そういえば、ナツさんもハッピーさん預けてるんだよな…)

未だに慣れぬ羞恥の所為かぼんやりそんなことを考えていると、気がそれているのが伝わったか、ナツが舌を吸い上げてきた。
いやらしい水音が響き、ぞくり、と背が粟立つ。そしてそのまま口内を掻き乱され、快楽に期待が高まっていく。
それだけで頭が真っ白になりそうな、そんな久しぶりの強い刺激にすがりつくように必死に舌を絡める。


「……は………っ、なつ…さんっ………ぅん…」

甘苦しさに涙が浮かぶ。

「…っは……………スティン…グ」

ナツが唇を離せば、互いの口元を銀の細い糸が繋ぎ、プツリと切れた。
そして、まるでそれが合図だと言うかのようにナツはスティングをゆっくりと押し倒した。




「……………いいよな?」

掠れた低い声でそう問われて頷いたのは、半ば反射だった。






















ギシリ……………と、ソファーが沈む音がした。

期待とこらえきれない欲に身を震わせながらナツを見上げれば、これまた欲に揺れる瞳。
切羽詰まったような熱い吐息が頬を掠めていくのだが、そのたびにビクリと身体が跳ねる。それさえも快楽だと相手に伝えるように。

「……………はは、エッロいな」

含み笑いを湛えながら、ナツがスティングの耳を舐めあげる。

「っひ…………ナツさん…!みみ…っ」

「ああ、お前耳よえーもんな」

楽しくて堪らない、といった体でナツが耳を食むと、スティングが苦しげな息をつく。

「っ…ひゃ………………!」

必死なその息遣いを聞きながら、ナツはちゅ…とリップ音をたてて耳から離れた。その水っぽい音にふるり、と身を震わせる。


快楽の波が過ぎるのを待ちほっと一息ついたとき、首筋に軽い痛みが走った。
その先を視線でたどれば、これまた首筋を舐めあげるナツの姿。

「ナツさん…!」

ナツは不敵にニヤリと笑うと、スティングの服を脱がせにかかった。



………………………………………………………………



「っあ、ん、は…ナツさぁっ…!」

甘く高い声が部屋に響く。
それを聞きながらナツはゆるりと笑った。




先程から胸の尖りを執拗に弄られ、スティングはもどかしさに無意識に太股を擦り合わせていた。
擦られ、摘ままれ、転がされ、舐められ…快楽を巧みに引き出してくるそのやり方に、スティングの自身は先走りをだらしなく垂らしている。まるで女のようだ…なんて考えはこの快楽の前ではなんの役にも立たない。休む暇なくやって来る快感にスティングは喘いだ。

「ナツさん…っ」

なんとかナツの愛撫から逃げようと身をよじらせていると、ナツの指先がスティングの太股をなぞった。

「………………っぁ…」

スティングが息を飲む。
ナツはそのままスティングの反応を楽しむかのように手を滑らせた。
そのしぐさをスティングはどこか期待を湛えた目で見つめる…が、ナツは太股をゆるゆると撫でるだけで、スティングが一番触れてほしいであろう場所には触れない。焦らすようにじっくり撫でる。

「ぁ、ナツさん…っ…?」

「んー?」

スティングが物欲しそうなのは明らかだ。しかしナツはその口から言葉を聞きたいらしい。それが伝わったのか、スティングはさらに頬を赤くすると喘ぐように告げた。

「ナツさん…お願い………………っ」

「………………なにを?」

ニヤリ、と笑うナツにぐっ…と言葉を詰まらせる。こうなった以上自分から言わないとなにもしてもらえないのは、わかっている。スティングは震える声で強請った。


「しっ…下、触って…?」


「良くできました」

愛しそうに目を細めると、人差し指ですうっ…とスティングの自身をなぞる。

「ふぁっ!あっ」

焦れて痛いぐらいに起っていたソレに触れられて、スティングの背が弓なりに反る。自身もビクビクと震え、先走りの液を垂らす。
ナツはそれをゆっくりと上下に擦った。

「んぁ!あ、あ…ひっ…」

目眩がしそうなほどの強い快楽。擦られながらスティングは無意識に腰を揺らした。
スティングのソレは擦るたびに先走りの液の所為で、ぐちゅぐちゅといやらしい音をたてている。
ナツは口許に笑みを湛えながら、先端のぬかるんだ窪みを指の腹でぐりっ、と擦った。

「っあ!?や、だめ、なつさ…イっちゃ…!?」

スティングが甘く高い声をあげたと同時に、ナツは強めにソレを扱いた。


「ひゃっ!ナツ…さ…ん、ダメ…イく…!っあ、あっ、あぁぁぁっ!!!」


ビクリ、と一際身体を大きく跳ねさせたかと思うと、スティングは腰をカクカクと振りながらナツの手の中に果てた。


くたり、とナツの腕の中にスティングは倒れこむ。しかし、一回イっただけでは足りない。後ろがーーーーーーそう、スティングが思ったとき、

「まだ、たんねぇよな?」

ナツが低く囁き、スティングの後孔に白濁のついた指をゆっくりと挿しいれた。

「っふ、あぁん…!」

ずっと触れてほしかった弱所。そこに触れられた喜びに、肉壁を押し上げ入ってくる指を過敏に締め付けてしまう。

「っあ…んん…」

先程の白濁が潤滑油となり、いやらしい水音をたてる。
はじめはゆっくりとした抜き差しだけだったが、解れてきたところでナツは指を少し曲げると一番熱く潤んだ場所を掻いた。

「っ!!!んぁ!そこっ…ふぁ、あぁっ…!」

「ここが、いいのか…」

「んんんっ…!あひっ、やっ…あぁん…」

コリコリと執拗に弄ってやれば、スティングのソレは硬く起ちあがり達しそうなほどにビクビクと震えた。

「なつさん…もう…!」

スティングの切羽詰まった声に、ナツが熱っぽい吐息を重ねる。


「おう………………俺も、スティングでイきてぇ………………」

掠れた声でそう言われれば、期待に胸が震える。




「ナツさん………………きて」


熱く硬いものが後孔にあてられる。その熱とこれから気持ちよくなれるという予感から、腹の奥が疼く。
ナツは自身のカリ辺りを軽くもつと、あてがう位置を決めゆっくりとソレを押し込んだ。
一瞬反発があったかと思えば、ナツのソレはズプリ…とスティングの肉壁を開きながら埋まっていく。

「あ…ん…!」

肉壁を擦る硬いものの感覚。みっちりと満たされてゆく嬉しさに、うっとりとした吐息が零れる。
奥までしっかり埋めると、ナツは堪らない、といった体で溜め息をついた。

「スティングん中、スゲー熱い…」

そのまま軽くキスをすると、ナツは目の色を変えた。

「ゆっくりとか、優しくとか無理だ」

ごくり…と思わず喉がなる。その瞳に隠しきれない欲。それを向けてくれているのは間違いなく愛しい相手。

スティングは頬を緩め、頷く。

「いいよ、ナツさん…激しく…シよ?」


「バカ、煽るな」

ナツは嬉しさと苦笑の混じった声でそう告げると、スティングの膝に手をかけ腰を引いた。

ズ…と音を立ててナツのソレが引き抜かれる。
満たしていたものが抜かれる寂しさと、これから来るであろう快楽への期待が入りまじり、震える。

ーーー抜ける。
そう思った直後。ナツがぐっと力をいれ、一気に最奥まで貫いた。

「っあぁぁ!」

ズン、と重い衝撃と共に肉壁が強く擦られた。その勢いのまま何度か出し入れを繰り返す。最奥の弱所にガツガツと肉茎があたり、溶けそうなほど気持ちがいい。

「ひぁっ!あぁぁっ…んん、ふ、はっ…!」

ナツの動きに合わせてスティングも腰を振る。お互いの吐息が混ざりあい、熱を増す。そのまま大きな動きを続ければスティングの限界が近いのか、ナカが不規則にひきつった。

「なつさ…!イく…イくからぁ…あっ…んぅ!」

「ん…俺もいっしょに、な…」

スティングの声に答えるように、ナツは深くまで突き上げた。
グリグリと奥を擦り、獣が貪るかのごとく激しく突き上げる。
そして、最奥を強く擦りあげた瞬間。


「ぁ、や、なつさん!んぁ!あっ、あ、あぁーーーッッ!!」


ビクビクと身体を震わせナカのものを強く締め付けながら、スティングが達した。
その締め付けにナツも低く呻きながら、スティングの最奥へと体液を勢いよく注ぎ込んだ。


To be continue

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