[携帯モード] [URL送信]
安心

「若?」
私は門から手を放し、若と向き合う

「あの・・話しておかなくちゃ・・いけない話があるんです」
改まってバツが悪そうにしゃべっている若に私も真剣になる

「俺・・俺・・すいません!!」
「えっ!?どうしたの!?」
いきなり頭を下げてきた若に私は驚いて、若の顔を上げさせる

「どうs「この間、俺の所に・・優斗さんが来ました・・っ・」





「え・・?」


私は固まり、思わず声をもらす




優斗・・が・・?
なんで・・



「でも、優斗さんにprincessには言うなって言われてて・・」
「・・・」


言うなって・・
私に・・会いたくないって事・・だよ・・ね



「それでも、俺、princessはあの日からずっと優斗さんの事心配してたし・・言わなきゃいけない気がしてっ・・」
「・・うん」

「でも、言うなって言われて・・」
「若、いいよ。落ち着いて?」
「でもっ」
「優斗は・・私には言うなって言ったんでしょう?・・だったら、私はそれに対してとやかく言うことはできない・・わ」
「princess・・」

「若は優斗の言いつけしっかり守ってたんだから、そんな辛そうな顔しないで?」
私は若を抱きしめる

まだ私より少し小さいし、細い


「・・俺、言うなって優斗さんに言われて・・少し嬉しかったんです」
若は涙声で話す
「・・?」
「言ったら、princess・・俺たちから離れて、優斗さんの所に行っちゃう気がしてっ・・」
若は、私の服をギュッと握る

「そっか。でも、大丈夫よ。もう、、優斗の事をそんな風に思ってないから・・。それに、私があなた達から離れていく分けないじゃない」
私は優しい声で腕に力を込めて言う
「っ・・・」

「ふふ、若はいつまでも泣き虫だなぁ」
「そんなこと・・っ・・ありませ・・」
「うん。 ありがとう若」
私の言葉に、若は私の腕の中でコクンと頷いた





「もう・・平気?」
「はい。ご迷惑おかけしました」
若は服の裾で涙を拭く

「ふふ、そんなこと無いよ」
私は笑いながら若を撫でる

「どうする?もう遅いし、景吾呼ぼうか?」
私の言葉に若は首を横に振る
「あの人に・・跡部先輩にこの顔見られたく・・ないです」
「ふふっ、そっか」
そう言って若は駅に向かって歩き出す

「気を付けてね!何かあったら電話するんだよ!」
「大丈夫ですよ。子供扱いしないで下さい」
「ははっ」
さっきとは反対の立場に私は笑って、門に手をかける









部屋に入ってベットに寝っ転がり、天井を見つめる

頭に浮かぶのは初恋の人・・・




優斗・・日本にいたんだ・・
もしかしたら・・今もいるのかな・・

私に・・会いたくないから若に言わないように言ったのかな・・?

若が泣いちゃったから聞けなかったけど、優斗・・何しに日本に来たんだろう・・

会いたい
会って謝りたい
ずっとずっと大好きだった・・大切な人・・


私の中で様々な思いが入り交じる






でも・・良かった。。
日本に来たって事はしっかりお給料もらって暮らせてるんだね・・

あの日、私のせいで・・優斗はまだ10歳だったのに家族とはバラバラにアメリカにとばされた・・

なのに、、別れ際、優斗は涙を見せながらも私に笑ってくれた・・



ねぇ・・優斗。今、あなたを家族とバラバラにした私を・・憎んでいますか・・?

私はそのまま眠りについた





next⇒

[戻る]

[←]

4/4ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!