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Colorfulカラフル
空に恋して3
(…とりあえず、現状は良好なハズっす…)


今日は、雑誌のファッション特集の撮影をしていた。
まぁ…バスケより楽しくはないけどモデルという仕事も嫌いじゃない。

「お疲れ様ー。黄瀬くん」とスタッフの方々に言われ、俺も笑顔で返した。
今日はマネージャーが、送ってくれるそうで車に乗り込み、俺は夕暮れの街を見ていた。
真っ赤な夕焼けは、赤髪の彼を思い出す。


(赤司っち、あれから何も言ってこないっすねぇー)


黒子っちより、謎が多い。帝光バスケ部で絶対王政をしく主将「赤司征十郎」……思わず、様とつけたくなる。そんな彼に、同性相手にしている片思いの事がバレてしまった。
(よりにも寄って、1番厄介な相手っす……)
あの赤司の事だ。何か言ってくるのだと、思っていたのだがかれこれ、一週間何もなく過ごせてしまった。
赤司にとっては、なんて事ないという事か?


(でも、赤司っちは何気に黒子っちの事大事にしてる気がするんすよね)
彼は、自分の大事にしてる者に対して、俺が危害を加える者になりはしないか、見ているんでないかと思っている。

(まぁ…あくまで俺の想像だけど)


そんな事を悶々と考えていると、自宅にいつの間にか到着していたらしい。マネージャーに声を掛けられて、やっと気づいた。


次の日、部活の練習も終わり、部室での着替える人も疎らになっていた。俺としては、黒子っちと一緒に帰りたかったけど、彼は用事があるとかでバッサリ断られてしまった…;;悲しいっす。

(青峰っちとの1on1も今日は無理そうだし)

今日は大人しく帰ろう……。そう思って帰宅準備をしていると、ドアが開き現れたのは赤司だった……。しかも、たまたま目が合ってしまい、なんとなく反らせない……。


「涼太……そろそろ鍵を閉めるぞ、他の奴らも早くしろ」

赤司の一言で皆一斉に動きが早まった。赤司も自分のロッカーへ行き、荷物を纏めている。
彼は監督との、ミーティングがあったので制服のままだった。俺も準備をし、足早に出ようとしたのだが、

「涼太、扉の前で待っていろ」
赤司っちの声が聞こえ、帰れなくなってしまった。
(こんな事なら、さっさと帰れば良かった)
運悪く、他のキセキ達もいない。それに"あの事"だろうなとは、覚悟もしていた。


俺は仕方なく、部室の外で待つ事にし、数名の部員が出たあと、少しして赤司っちが出て来た。
部室を施錠した後、俺を見上げた赤司っちは、


「俺が何が、言いたいか分かっているみたいだな。涼太」


「…俺が黒子っちに対して、抱いてる気持ちの事っすよね」

「そうだ」

「赤司っちに何を言われようと、俺は黒子っちの事好きっす」
「俺は別にお前がテツヤに対して恋愛感情を持っている事に反対はしない」

「えっ??」
(何で…赤司っち…?)

「それを俺が反対しても、どうなるものでもないだろう。ただ、これからお前がテツヤに対して告白をしようがしまいが、お前はバスケ部を辞めるな。俺が言いたい事はそれだけだ」


「はい?…こ、告白とか…そんな」
(うわっ、考えただけで顔が赤くなる)

「なんだ?しないのか?」
珍しく、赤司っちが不思議そうな顔をした。


「告白は…まだ予定にないっす…;;俺だって、同性相手に…って悩んでる所はまだあるんすから」

「ふーん、そうか。まぁ、成功するのは低いだろうな」

「酷いっすっ!!勝手に決めないで欲しいっす!」
(赤司っちが言うとシャレにならない)

「で、辞めるなよ。涼太」

「辞めるつもりはないっすよ…てか、何でそんな事言うんすか?」

「お前がフラれたなりすれば、お互い気まずくなるだろう?うっかり部活を辞められでもしたら面倒だ。特に才能がある奴には」


「だから、俺フラれる前提にしないで欲しいっす!じゃあ、仮に黒子っちが辞めたらどうするんすか?」


気まずくなるのは、彼とて同じだ。でも流石に赤司も黒子に対して、自分の様に忠告する訳にもいかないだろう。


「…テツヤか。まぁ最悪テツヤが辞めてしまってもそれほど問題じゃない。それに告白ごときでテツヤが辞めるとは考えられん」

俺は息が一瞬詰まった。

「赤司っち、何言ってんすかっ!!黒子っちが辞めても問題ないなんてっ…黒子っちは俺たちチームに必要な存在っすっ!!!」


赤司の言い方は、黒子には才能がないと言っている様なものではないか。大体、黒子の才能を見抜いたのは赤司のハズだ。それなのに………。


「お前が怒るのはソコなのか?……安心しろ、告白ごときででテツヤは辞めないよ」


「……何すか…それ」


「話は終った。俺は帰るよ、涼太。一応お前の健闘を祈ってやろう」


俺の怒りも赤司っちには通じず、彼は日の沈んだ学校を後にした。俺は良く分からない気持ちを抱えて、しばらくその場に立ちつくした。

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あきゅろす。
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