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Colorfulカラフル
空に恋して2
ほぼ、黄瀬の独白が続きます。原作のエピソードを交えつつですが、現在コミックが手元にないため、違う部分もかなりあります。
ご容赦下さいm(_ _)m






正直に言えば、最初は黒子っちの事好きじゃなかった。どっちかてーと、むしろ嫌いだった。俺は、青峰っちのプレーに魅了されて、バスケ部に入部した。帝光中はバスケの強豪校で100名を越す、部員が凌ぎを削っていた。
出遅れた俺だけど、持ち前の運動神経もあり3・2軍と上がり1軍も間近という所で……1年ですでに主将を任されていた赤司っちが俺に対して(教育係)としてつけたのが、黒子っちだった…………。

当時の俺は、早く青峰っちとプレーがしたくて、異様に影の薄い彼の事は逆に不気味だったし、しかも全然バスケも上手いわけじゃない。体格にも恵まれていない彼がなんで1軍なのか、サッパリ理解不能だった。
真面目だけど融通聞かない、表情もなくて、とっつきにくい………苦手なタイプと思ったのが彼への印象。


俺は、耐え兼ねて
「教育係、変えて下さいっす!主将っ!!」

「却下」

「何でですかっ!正直言って、俺の方が彼より全然プレーは上手いっす。教育係なんて必要ない」

「必要か必要じゃないかは俺が決める。それにお前はテツヤの事を全然分かっていないね。まぁ、いい。一週間後に他校と練習試合がある。そこに勝てばお前ははれて1軍だ。それまではテツヤはお前の教育係だ」


主将は、話は終ったとばかりに席を立って行ってしまった。


(主将は何考えてんだか全然分かんないや……彼から教わる事なんて何もないのに……)

俺の不満はたまりながらも、そうして一週間は過ぎて……試合の日。


(どうしよう…このままじゃあ負けてしまうっす!!)
相手は中々に手強く、気付けば点差は15点差にまでなっていた。練習試合と言えど、帝光に負けは許されない。

(これじゃあ…1軍なんて…)俺の心に、諦めが生じてきた。その時、彼がベンチからコートに入って、俺に言った。


「僕が君の影になります。黄瀬くん。15点差なので、飛ばしますよ。ちゃんとついてきて下さいね」

(へっ?どういう事?)

俺は訳が分からずも、しかし試合になったとたん、始めて彼の凄さを実感した。
彼の特殊なパスまわしに寄って、危なかった点差はどんどん縮まり、結果は帝光の勝利に終った。この試合の帰り道から、俺は彼、いや"黒子テツヤ"を認める様になった。


俺という人間はげんきんな者で、それからはとっつきにくいと思っていた、彼の性格も好ましく感じる様になった。暫くして、俺は1軍メンバーに昇格した。



そして、その頃にはもう、黒子っちの事をただの友達としては、見る事は出来なくなっていた。




目はつい、黒子っちを追ってしまう。影の薄い彼を探すのは、大変なのだけどそれでも見たい。クラスは違うから、せめて部活ではと、特に見ていた。そして、空色を見つけては近づく。なるべく、黒子っちの視界に入る様に……。彼の心の中に少しでも入れる様に、かまってもらいたくて、ちょっとしつこくしたら、冷めた目つきで毒舌を吐かれるほどに仲は良くなった…と勝手に思っている。



無表情だと思っていたけど、ちょっとした感じで、黒子っちの機嫌の度合いは分かる様になった。それは嬉しくて、嬉しくてバスケにもより専念する様になった。黒子っちがとてもバスケを大好きだから、黒子っちの好きな物をもっと深く知りたい、黒子っちのパスをもっと受けたかった。



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あきゅろす。
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