君との距離を測るかのように。(勝志勝)
★恋には届かずに、空を掴む。
青エクやばい嵌まりました。
「せやからちゃう言うてるやろ、なんでそんな解答なん…?」
「え、ほんまですか?次こそ間違い無いと思うてたんですが…」
「ほれ、ここはな…」
坊に教えられながら、俺はぼんやりとノートを眺めとった。
俺の覚えが悪いんとちゃう、かて言いよらはりましたけど、結果が間違いなら、俺のせいかて思いますわ。
そんなことを思ってたら坊に頭を叩かれた。地味に痛いですよって。
「なにしはるんですかー」
「話聞いてなかったお前が悪い、俺がさっき言うたこと覚えとるか?」
「すんません、ちゃんとしますわ」
ほら、見てみ。なんてため息つかれたら現実逃避しとった俺の頭がバレてたみたいで申し訳なくなった。
なんやろな、坊と長うおるけど、今更な感情が浮かんできてるんよ。
「……今日はもーやめえ。飯行くぞ」
「……すんません、また夜にでもお願いしますわ」
「はいはい」
うーん、これは怒らせてしまったんやろか。
俺は子猫さんみたいに集中力無いからなあ…。
がっつり勉強してはる坊には悪いんやけど、俺結構淡泊やから…。
どないしよ、なんて思うてたら坊が俺を見ながらため息をついた。
あ、こらあかん。
「何や上の空やないかい、勉強したないなら早う言えばよかったんや」
「………勉強は好きやあらしませんが、せっかく坊が教えてくれはってんのに違うこと考えてしもた俺が悪いんですよって。すんません、集中します」
「……何や、好きな女でも出来たんか」
好きな女。
そう坊に言われたら、何や胸が痛なった。
いや、女の子は好きや。守ってやらな、っては思うてるし。
でも、それはちょっとまた違うんやないか、って思った。
「まあ、うーん、気になる、…………そうですね、気になる人はいますよって」
そう口に出してもうて、はた、と気付いた。
気になる……?
そうか。気になるんか。
「……………」
「……………」
あかん、あかんわ。
坊のこと気になってしゃあないですわ。
何や恋みたいで、恥ずかしくなってきましたよって。
そうや、これや、この感情や。
「………ふうん」
「ま、まあ、こんなん考えてた俺が悪かったんですよって、すんません、夜にはちゃんとします」
坊は何や気に入らんのか、不機嫌なんか。
俺の顔をちら、と見て食堂行くぞ、と言わはったので、そそくさと立ち上がる。
俺は坊が気になって仕方ないんや。
終わり
勝志勝ぽく。
まあ、どちらでも読めますけど笑
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