雨だから、晴れない一日。3 つ、と背骨のラインを撫でられた。少し浮いているであろう骨をなぞるように。 今日のシズちゃん、何か凄いフェロモン出てない…?! 可笑しくない?怒らないし、風呂一緒に入ってくれるし、なんなの? 油断させといて殺すつもりなのか…? 「臨也」 「…ぁ、」 小さく声を洩らしてしまった。あああ、今のは気持ち悪いって! 引かれた!絶対に引かれた! 混乱している矢先、シズちゃんの手が下へと下がっているのに気付かなかった。 「…!!」 足の付け根辺りをなぞられる。ギリギリの触り方にビクついてしまう。 片手は腹部の前で、片手は付け根の方に。ああ、これだとやばい。 「あ、!」 なぞるように触れていた足の付け根から俺の下半身へと触れた。 緩く立ち上がっていた自身に俺は羞恥に顔が染まる。シズちゃんだから、こんな。 「勃ってる」 「…!!!」 後ろから耳元で囁くのは卑怯だと思う。ただでさえ、風呂場で素肌を晒しているのだ、遅かれ早かれシズちゃんが気付くのは時間の問題。 「は、」 鼻で笑われた気がする。そりゃそうだろう、俺はシズちゃんに触られて勃っている。変態といわれても可笑しくない。 なんだろう、これでシズちゃんじゃなかった萎えるどころか相手を殺す勢いだ。 捕まりはしない。社会的に殺してあげるよホントに。 ………嗚呼、痛いね。この時点で痛いよ。どうしようもない! 「臨也」 「…う、なに」 少し強めに握られたソレに呻くと、優しく撫でられた。やばいって。 「手前、」 「あ、!」 もどかしい触り方に俺はびくびくとしてしまった。こんな痴態、シズちゃんじゃなければ、見せることもないのに。 「臨也」 先ほどからどうしてこんなにも愛しく囁くように言うのだろうか。 勘違いしてしまいそうな、俺の愚かな思考に頭を振った。間違いだ、シズちゃんは俺のことを嫌っているのだから、 自分で言っていて空しくなるなんて。もう嫌だ。 どうせなら、これで最後にしてもらおう。そうだ、そうしよう。 言って、しまえばいい。 そうすれば俺は痛い思いをしないで新宿で生きていける。 そこまで考えて思考が止まった。いや、そんなわけにはいかない。 気づかない内に涙が零れていたらしい。嗚呼、情け無い。普段の俺ならまずありえないことだ。 好きになって、ごめんなさい。もう我慢出来ない。この気持ちに蓋をするのは疲れました。 伝えよう。もう、無理だ。言いたい。楽にさせて。 「お願いだから、」 俺をこれ以上。 「好きだ」 惚れさせるのは止めて。 泣きながらキスしたのはこれが初めて、だよ。 〜100714 やっと完成、不完全燃焼とかね。 あ、裏が長くなって入らなくなったとかそんな。 [*前へ][次へ#] [戻る] |