必要不可欠、それがお互いの存在理由。
★甘える臨也。
「ねえ、思いっきり、抱きしめて欲しいんだけど。」
そう言った奴の眼はとろんと、して誘ってるようにも見えるのだが。如何せん、今のコイツは酔っ払いなのだ。
あまりの性質の悪さに俺は溜息を吐いた。なんだコイツ、可愛いな畜生。
「なんで」
俺が煙草を灰皿に押し付けながら言うと、奴はゆるりと笑う。ああ、本当に性質が悪い。
「だって、」
寒いでしょう。なんて、言うもんだから。
うっかり、してしまったんだ。
コイツの言うことを聞いてしまうなんて、俺らしくもない。
しかし、俺も頭がイカれていたんだろう。そうとしか思えない。
「おら、来い」
飛びつかんばかりの勢いでタックルされた。別に痛くはないが、息が詰まる。
猫ならばゴロゴロと咽を鳴らす勢いでの機嫌の良さが伺える。あー、もう。
首に抱きつく臨也の腰を抱き寄せて軽く頭を撫でてやる。さらさらとした髪の触り心地がいい。
「しーずちゃーん」
ああ、これはもう俺の理性が持つ気がしない。
(可愛すぎるのも、俺には毒だ)
100614
シズちゃん臨也を甘やかす。
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