二人を結ぶ黒い糸は、心中の糸色。 ★妄想日記からの妄想。歌詞のみ。 臨也が痛乙女。 運命的な出逢いを果たした二人を結ぶ赤い糸。 これって正に俺の今の行動じゃないかなあ。 そう思うと笑えてきた。あ、やばい今は見つかるわけにはいかないんだった。 バーテン服が目立つ青年の後ろにあるビルの物陰から盗み見る。 やっぱり運命だね!俺とシズちゃんが出会うってことは決まっていたことなんだよ! 一人で忍び笑いをしていると、ふいにシズちゃんの姿が消えた。 あーあ。もうおしまいか。あんまり近付くとバレるんだよねえ、愛の力だよねえ。 今は使われなくなったビルの非常階段を上りながら思い出し笑いをした。 ねえ、シズちゃん。 シズちゃんをこんなに愛しているのは俺だけだよ? 君の家族よりも、俺が一番愛してる。 嗚呼、どうしようか。楽しくて堪らない。 君を俺のものにするためには、君は俺に負けなくてはいけない。 負けたら、シズちゃんのことだから言うこと聞いてくれそうだし。 それまで、どう追い詰めよう、なんて考えるだけで心が踊る。 「早く堕ちてこないかな」 俺のところまで。 楽しくてつい油断していたんだ。まさか俺が階段から堕ちるなんて。 ……俺が堕ちるなんて無いね。 でも現在進行形で、耳には落ちる感覚に風邪を切る音が響いていた。 シズちゃんから受ける痛み以外はいやだなあ。 なんて。 「臨也!」 聞こえるはずの無い声が俺の耳に届いた。 幻聴にしては嫌にリアルだね。これがもし本人の声ならば俺は結構痛い、よね。 ドサ、なんて階段の無機質な鉄板の感触ではなかった。 暖かな、何かのぬくもりに包まれる。 ……あれ。 本当にシズちゃん?まっさかーあ。 勢いでジャケットを脱ぎたくなった。そのくらい俺はテンパって居たんだ。 まさかまさか。 まさか。 「シズ、ちゃ」 やばい。おれ声震えてないよね?ねえ。 自覚すると、俺はシズちゃんに助けられたことになるわけで。 顔に熱が集まる。これは駄目だ。危険だ、警告サイレンが鳴り響く。 「……おい、」 がばあっと起き上がる。それはもう勢い良く。 ぬくもりが離れるのは名残惜しかったけど、このままだとシズちゃんに弱みを握られるだけだ。 でも、勢い良すぎて逆に前にこけそうになった。 ガシ、と腕を掴まれて更に俺の心音は早くなった。というか、シズちゃん俺の心臓を壊す気でしょう。 (嗚呼もう!) やめてよね、俺は君が好きなんだ。だから触られればドキドキするし、貶されたら心が痛む(ポーカーフェイスは役に立つけど)。 グルグルと思考が回っている。嗚呼、これじゃあ何を口走るか分からないぞ。 「臨也」 そう、君がその言葉を口にしなければ。 俺はあんなに取り乱して泣いたりはしなかったと、思う。 (なん、なんで泣くんだよ!) (うえ、ばか。シズちゃんのばかあ) 怪我が無くてよかった、なんで優しく言わないで。 終わり 100430 何だろう、この臨也。笑 そして中途半端。 [*前へ][次へ#] [戻る] |