手前には素直に答えてやるから、拗ねるなよ。
★バカップル
シズちゃん、これさ、俺が言うのもアレなんだけど。
と言った臨也の顔は拗ねているのか、不機嫌だった。
「その金髪、高校から染めてるんでしょ？噂では君の上司に言われたからってあるんだけど」
「トムさんか？」
「そう、箔をつけるためって。マジで言ってんの？」
本当にしても手前なんでそんなに機嫌悪いんだよ。
つーか、拗ね方が餓鬼だ。
「ふーん」
噂も一人歩き、だな。それが嘘か本当か何てお前に関係あんのか？
タバコを踏み潰しながらぼんやりと考える。
理由、理由ねえ。
覚えてるか微妙なくらい今更のことだ。
「で、トムさんに言われたとしたらどうすんだよ」
「ムカつく」
………会話に成ってない。
そんな性格だったか？手前はよ……。
「何か、取られたみたいで嫌だ」
「一丁前に独占欲を晒すな」
「だって、シズちゃんは俺のものでしょう？」
「手前は俺のものな」
「…じゃあ俺も金髪に…」
「駄目だ」
「何で」
何でって、手前。
分かりきってんだろ。
「せっかく手触りいいんだから、傷めるようなことすんな」
お前の髪は気に入ってんだよ、と髪に触れながら言うと臨也が俯いた。
耳が赤いから、照れてるだけだろ。
こういうとこは可愛いよな。
「シズちゃん、」
「んだよ」
「俺が黒髪にしてって言ったらしてくれる？」
「嗚呼」
多分、笑った。
俯いていて見えないけれど、嬉しそうに笑っていると思う。
「手前が望むなら、何だってしてやるよ」
恋は盲目、と言うけれど。
本当にそうだ、と臨也がぎゅうぎゅうと首に抱き付くのを見ながら少し笑う。
(手前に関して俺は相当な馬鹿だって自覚してる)
100414
ネタバレでシズちゃんの金髪はトムさんに言われたからって聞いたので書いてみた。
しかし、アニメでは高校から既に金髪なので法螺かもしれない。
アニメと原作が違うはよくあるから別にいいんだけれども。
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