涙なんか、出ないと錯覚していたよ。
★声が出ない、どちらにも当て嵌まる内容
どちらが、は想像で
気付けば知らない場所にいた。
どこかも分からない世界に、困った。
俺は何をしていたんだ。
なんて、疑問が口から言葉にならない。
音にならない。
なぜか?
至極簡単だ。声が出ないからである。
空回りする空気に、裂けた声音。
ああ、コレが言えない辛さか。
「・・。」
無音がこんなにも寂しいならば、これほど苦痛なものもないだろう。
苦しい。息が満足に吸えない。
声を失うことはこんなにも、恐ろしいのだと、知ってしまった。
ああ、彼を愛す言葉も出てこない。
雨が、降り出した。
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