思っていても実際に離されたら多分終わると思う。
★うざやさん。
馬鹿だねえ、シズちゃん。
そんなとこが可愛いんだけど。
なんてほざいた臨也に苛々した。
つーか。
なんでいんだよ、手前。
いつも言ってるが、池袋にくんなっつーの。
( 。)
「ほら、早く」
「あ?」
手を差し出された。
首を傾げると、笑う臨也。
「早く帰ろう、寒いでしょ?」
いや、別に寒くはない。
いつもの格好で居るのに、今更だよな。
「………」
(ああ、でも)
雨が降りそうだ。
空を仰いだ俺に、臨也が首を傾げた。
「どうしたの?」
なんでもねえよ。なんて笑って、臨也の冷たい手を取り、引っ張った。
よろめいた臨也を抱き留めると、じんわりと伝わてきた熱に、自分が寒いんだと気付いた。
「帰るか」
「………、まだ待って」
動かない臨也を覗き込むと、見えた耳は赤かった。
………、いや、まあ、うん。
(狂ってる)
(今更でしょ)
(まあな)
100220
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