アクマ @ セシル嬢に朝食を持っていき、食べ終えるのを待ちながらのんびりとハーブをより分けていた。 肩までのうねる髪は時おり視界を覆い、前髪でも作ろうかとぼんやり考える。 階下が騒がしい。ふと気づいた物音に、椅子から立ち上がる。 食事の手を止め、こちらを伺うように見つめたセシル様に微笑んで 「少し、見て参りますね」 と会釈して、念のため護りの結界を球体状に部屋一杯に張っておく。 「…これは?」 不思議そうにあたりを見舞わしたセシル様に驚いた。 彼女はとても、『よい眼』をお持ちのようだ。 「…これは、戦星の守という名の結界です、あなたを守る盾と矛になります」 そう言えば彼女の目が見開かれて、グッと表情が引き締まった。…6歳の子がする表情ではない 「…なにがあったの?」 と問うその声に、年に似合わぬ憂いと、嘘や誤魔化しは求めていない響きが在った。 「お客様のようです、強盗かもしれません、」 盗るものも無いのにね、と少し茶化せば、彼女も少しほほえんで 「お兄様が心配ですわ」 と呟いた。 なるほど、これは命令か。それに笑みを深くしながらかしづいた。 「必ずお連れします。その際は結界の中からお兄様をお呼びください。招かれないと中には誰も入れませんので」 言外に自信を含ませキッパリ言い放てば、力強く彼女は頷いた。 [*前][次#] [戻る] |