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アクマ
主の



***


ふわふわと柔らかい髪を、天日干ししたゴワつく固いタオルで乾かしながら


新しく悪魔を得た年若い青年、フィルベルト・メイシュー・フィヨルドは戸惑っていた。




今は大人しく風呂場の床に敷かれた毛の短いラグに座り込んで頭を拭われている 悪魔が、



すんげぇ、ヨゴレて風呂の湯が灰色になるほど汚かったのと、垢とホコリを落とさなくてもわかるほどに華奢な事


それから丈が少し足りない妹のワンピースから覗く、細い手足に色濃く浮かぶ擦りきれた皮膚とアザに。





動揺を悟られないように、手を動かしながら
優しく優しく水気をタオルに含ませて


髪をタオルに巻き込んで、首回りにも同じような擦りきれた皮膚とアザを見たとき、



ようやく
これは あの牢屋の中でしていた、

貴金属の所為で、出来た傷だと理解したのだった。



そうして、改めて まだ幼く見える悪魔のつむじを見下ろしながら、



年に見合ぬ、落ち着きを持った彼女を

ひどく、哀れに思った。


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