戸惑う君と(6章)
ここは西大陸南部、メノウの港町。何故か人間サイズのカルロと町を出歩く事に。
コウ「んん〜、おいしい〜」
カルロ『……よくそんな物を食べれますね』
コウ「美味しいのよ? 食べる?」
カルロ『結構です』
コウ「カルロも甘いの苦手なのね。絶対人生の半分は損してるよ」
カルロ『私の人生がどれだけあると思ってるんですか。甘い物など必要ありません』
コウ「何言ってるの!? 疲れた時にはこれが一番だよ!」
カルロ『三段アイスがですか? そんなに食べたらお腹壊しますよ』
コウ「大丈夫! 別腹なの」
カルロ『……不思議な生態ですね』
コウ「ちょっと、冷静に分析しないで。カルロも食べてごらんよ、絶対美味しいから」
カルロ『だからいらないと言っているでしょう。私はこれで十分です』
コウ「……!?」
カルロ『──甘……』
コウ「アイス……付いてた?」
カルロ『ええ、お口の周りに沢山』
コウ「恥ずかし〜! カルロありがとう」
カルロ『いえ……』
コウ「ふふふ、甘くって美味しくって幸せ」
カルロ『全く、子供みたいに……。少しは精霊界の王であるという自覚を持ってください。こんな所を見られたら、簡単になめられてしまいますよ』
コウ「もう、いいじゃない! カルロってば口を開けばお説教ね。そんなに私駄目かな!?」
カルロ『……そうではありません』
コウ「じゃあ何でいつもいつも文句ばっかり言うのよ!」
カルロ『仕方が……ないでしょう? こればかりは』
コウ「な……何がよぅ」
カルロ『他人の事はどうでもいいですが、ただ貴女の事になるとつい、色々と言ってしまうんですよ。貴女は危なっかしくて、可愛くて、放っておけないから……』
コウ「────!!」
カルロ『? どうしました?』
コウ「どうって……何て恥ずかしい台詞を……」
カルロ『というかコウ、アイス落ちましたよ』
コウ「あ────っ!?」
カルロ『本当に注意力散漫ですね。これでは到底──』
コウ「も……もうカルロなんかやだ──!」
※コウさん、猛ダッシュ。
=== 宿 ===
フレアン「お帰り……!? どうしたんだコウ」
コウ「うぅ〜、カルロが酷いのよ〜」
カルロ『私の所為ではないでしょう』
フレアン「? よく分からんが、コウが何か仕出かしたんだな?」
コウ「なっ! フレアンさんまでそんな事! もう二人共大っ嫌い!」
※コウさん、ふて腐れて部屋に篭る。
フレアン「……? カルディアロス、何があったんだ?」
カルロ『……さぁ?』
戸惑う君と
[完]
可愛くて危なっかしくて放っておけない
そんな貴女だから、私は────
(C)LICHT 2008-1-30
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