長編メイン小説【もっとX2強くなれ!!】
その21〜デート?〜
翌朝起きると、顔の腫れはほぼ引いていた。
これなら額と頬に一枚づつ、湿布を貼っておけば良いだろう。
登校の支度を終え、父さんと優子さん、僕の三人で朝食を取る為テーブルに着く。
『あ〜あ…こんなに早く朝食を取って家を出ても、どうせ学校には硫ちゃん達は来て無いんだよな〜面白くないな〜』
と、考えていると家の外から、けたたましいバイクの排気音が聞こえて来た。
「何この音〜?
こんな朝から暴走族が走ってるの!?嫌ね〜」
優子さんは暴走族に限らず、不良っぽい文化全般が大嫌いで、テレビ等でそういった類いの人達が出て来ると、汚い物を見る様な目をしてチャンネルを変えてしまう。
僕の怪我を知った時もそんな眼で、
「程度の低い高校に入るからそんな目に遭うのよ」
と、言ったっきり僕の存在を無視している。
優子さんは、今もそうした蔑む様な視線を窓の外へ向けている。
「あら嫌だわ…今のバイク近くで停まったみたいね……」
本当だ…音の雰囲気的にウチの前でエンジンを切った感じだ。
ひょっとしたら…
「勇輝…友達じゃないのか?」
父さんがコーヒーカップをソーサーに置いてそう言った。
父さんの顔は何だか少し嬉しそうだ。
「うん♪ちょっと見てくる!!」
トタトタトタトタ。
何だかヒステリー気味に騒いで居る優子さんを尻目に、僕は玄関に向かって走った。
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